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月持ちの魔人

途中だけど力尽きたから投げる

エイヤー!

脳内を映像化する技術はまだできませんか?

国語苦手なんよ

絵心は過去に置いてきた


error前は少しあるけど言葉が面白くないから

進まなくなった

ここに書いてあるのもそーじゃないは多いんだけどまぁいっか

どうせ国語一桁や

癒し花…名称未定、迷走。

    この世界で唯一治癒の力を持つ。

    満月の晩に楽園魔法(対象の治癒を瞬時に行う)が使える。


楽園魔法…名称未定。

     現在『フラワーガーデン』<『フェアリーガーデン』が確認されている。

     病気、ケガ、欠損、精神等。造られる庭により効果や範囲が違う。


『ディストピア』…癒し花の魔人が新月の晩or死を迎える直前に使える力。

         暗黒の楽園を開き、対象の命を奪う。

         彼女達にとっては、最後の楽園である。


月持ち…稀少な癒し花の魔人のさらに稀少種。

    満月の晩にしか使えない楽園魔法を常時使用することができる。

    その反面、常に月を持つため新月に使える『ディストピア』は使用できない。

    最後の時も月は輝くため、暗黒の楽園には辿りつけない。

    その特殊さゆえに魔人化を解き、人型をとることができない。




 最後は楽園に還りたい。




 空を見上げ、煌々と満ちる月に願いをかける。

 側にはまだ咲かぬ同族。

 貴重な花が、本来こんな近くに咲くはずがない。


 静かな夜の静かな森を一人歩く。

 近場で見つけた泉を何気なく覗くとそこには3つの月があった。

「どうして……」

 水面が映したのは自身の瞳に宿る2つの月と輝く満月。


 花は開花してすぐに黒煙に包まれた。

 花が目を覚ます……。というのは少し変かもしれないが、目を開ければ『人間』似た形をしている。

 黒煙はある程度の知識を与えてくれた。

 自分は魔人という事。

 特殊な花であるという事。

 月持ちは更に特殊だという事。

 人間はどのような存在で、人間と魔人、魔物には種族の壁があるという事。

 他にも脳に書き込まれた情報はあったが、今はこのくらい理解できていればいい。

 ふと気になり、元いた場所へと戻る。

 情報と違う、同族の存在。なぜ彼女はこんなに近くにいるのか分からなかったが、『人間』には家族や姉妹が存在する。それなら彼女は私にとって妹になるのだろうか?

 そんなことを考え、そろそろ咲くであろう彼女に寄り添い、見守る事にした。


 …数日経ったが変化はない。


 …一週間待ったが相も変わらず。


 …何百何千日と側を離れずに見守った。彼女が枯れないように。手折られてしまわないように。

 幸い静かな日々が続き、自身も力を使うことなく過ごすことができた。


 何をするわけでもなく、ただ時が過ぎる中その日は訪れた。

 雲一つない空には赤く、大きく、より輝きを増す満月。

 彼女は全身に光を浴びて目を覚ます。

 花は赤い宝玉を持ち開花し、黒煙へと包まれた。

 見間違いかもしれない。今日は月が赤いからそのせいかもしれない。

 驚き瞬く間に、そこには赤ん坊の姿をした彼女がいた。

 自分とは違う出生に戸惑いはしたが、笑っている彼女が愛おしく、壊れぬようにそっと抱きしめた。


 それからの日々は、あっという間だった。

 日に日に成長する彼女は、魔人故の適応なのだろう。

 1日1才ほどの速度で成長し、人間でいう15才くらいまで育ち成長は止まった。

 あの時の赤い宝玉は見間違いだったのか、瞳に月もなく情報の癒し花と相違ない姿に少し安堵した。

「お姉ちゃん! 今日はどんな事を教えてくれるの?」

 彼女は赤ん坊で魔人になったからか、世界の知識の刷り込みがうまくできていないようだった。

 自分も経験したわけではないので、黒煙からの知識だが、好奇心に満ちた瞳と姿勢で情報を吸収していく。

 …間もなくだった。

 静かな森には不相応な騒がしい足音。

『危険』 

『危険』

 脳内に響く警告。黒煙からの情報では、自分達と人間とには深い溝がある。

 そして、癒し花は唯一の治癒能力持ちとして乱獲される……。

「逃げなきゃ……」

「お姉ちゃん?」

 彼女の手を引き、人間のいない方へと走る。

 戸惑っているようだったが、私の焦りを察したのか静かに引かれている。

 身を隠そうと試みるが、どこに行っても近くに人間の声が聞こえ落ち着くことができない。

 私達がここにいるのがバレたのか?

 それとも何か他の用事できたのか?

 どちらにせよ、この人間達は危険であるということが本能で理解できた。

 長い時間走り回り、彼女にも疲労が見える。

 理由も聞かず静かについてきてくれたのは良かったが、そろそろ限界だろう。

 この力を使えば疲労も回復できるが、存在が完全に認知されてしまう。

 そして、少し考え彼女だけでも隠すことにした。

「ここで待ってて? 人間がいなくなるまで絶対にでてはダメよ」

 置いて行かれることに不安を覚えたのか今にも泣きそうな顔で見上げてくる。

「大丈夫。また会えるから。今はここで静かにしていてね。彼らがいなくなったらこの森を出て仲間を探して……」

 彼女の額にキスをし、急いでその場を離れる。

 何か言いたそうにしていたが、今はそれを聞いてあげられる余裕もない。

 見つからない事を祈り、離れた場所であえて物音をたてる。

 人間達はすぐに気付き私を囲んだ。

「これは癒し花だ! 使えるぞ、最高の収穫だ!」

(! どうして私が癒し花だって……)

 自分の姿を見て息をのむ。魔人として花を身に纏い、胸には光る宝玉。

「こいつ…、『月持ち』だ! 今日は最高についてるな!」

 その一言で思い出す。『月持ち』は魔人化を解くことができない。

 思い出す。彼女にはまだ伝えていない、魔人化の解き方を。

 血の気が引き、顔は一気に青ざめる。

 私の顔色を見て、自分達に怯えていると思ったのか、気をよくしている人間。

 彼らは何か話しているようだったが、それからは何も耳に入ってこなかった。

 彼女が気付いてくれることを願い、人間のいる町へと連行された。


 地獄の日々は始まった。

 彼らは私をとある金持ちへと売り飛ばす。

 私の主人となった人は、館へ連れ帰ると使用人を呼び、何かを連れてきた。

 それは、血に塗れ見るに堪えない魔人の姿。

 ゴミのように目の前へと投げ出され、小さな呻き声を上げる。

 息をのむ。額から頬へと伝う汗がとても冷たく感じられた。

「それを治しなさい。私のお気に入りなの」

 主人は、私へと嬉しそうに命令する。

 瞬間、思考停止し、動けずにいると主人は冷たい目で見下ろす。

「はやくなさい。グズは嫌いよ」

 慌てて構え、その言葉を唱える。

「満月はここに……」

 両目を手で覆い、頭上へと伸ばす。

 そこに瞳に宿した満月が強い輝きを放ち始めた。

「月の加護は、我が花園を照らす。開花せよ。『フラワーガーデン』」

 患部から光の種子が零れ落ち、血塗れの魔人を中心に小さな花園が展開される。

 花々は咲き乱れ、一際大きい花が開花すると一滴魔人へと落ちた。

 その雫は彼を包み込みすべての傷を癒す。

 治療が完了すると、花園は光の粒子となり跡形もなく消えた。

「素晴らしいわ! これならいつでも遊ばせられるわ」

 彼はゆっくりと立ち上がり、長くのびた前髪から覗く瞳は、恨めしく何かをいいたげにこちらを見ていた。

 

「今日からここが、あなたの部屋よ。逃げようなんて考えないで。私のペット達がどこまでも追いかけるから無意味な事はしないように」

 案内されたのは綺麗に片づけられた一室。

 ひどい扱いを受けると思っていたから、少し気が抜けてしまう。

 でも、先の忠告から絶対の自信は伝わる。何かに繋がれることも部屋の鍵をかけられることもなく、ある程度の館内の自由が許されたのだから。

 いくつかのルールは決められた。

 治療は勝手にやらない事。

 館から外に出ない事。

 呼んだらすぐにくる事。

 


_____________________


 ERROR

 この先の情報は開示されていません。

 

 シロマとの出会い~死まで

_____________________

 

 最後の時なんてあっさりしているもの。

 これ以上この世界で生き続ける必要はない。

「ルーナちゃん(仮)、最後にお願いを聞いてほしいの」

 魔女、人間、魔人、神獣。

 異なる種族に見守られる中、大切な妹へと言葉を紡ぐ。

「あの時、あなたを置いて行ってしまったこと、少し後悔しているの。本当はずっと側で守ってあげたかった。一緒に沢山の事を経験したかった。」

 ゆっくり、ゆっくりと紡がれる言葉に、木々も大地すらも聞いているかのように世界にはとても静かな時間が流れる。

「楽園からあなたを見守りたいの。私を迎え入れてくれないかな」

 その言葉にルーナの瞳から、堪えていた涙が溢れ出す。

 自身の頬へと落ちる涙は、冷えた体に少し体温も戻してくれた気がした。

 最後の力を振り絞り、胸に埋まる色のない宝玉を取り外す。

「これは…、お守り」

 ルーナの手のひらへと静かに置かれたそれは、僅かな光を宿している。

「楽園で皆が来るの待ってるから。…今は眠いからゆっくり、ゆっくりきてね。」

 近くにいた者は、話が終わると一定の距離をとった。

 ルーナは私を優しく起こし、座らせる。

 お守りにと渡したそれを強く握りしめ、涙を拭い覚悟を決めたその顔に曇りはない。

「お姉ちゃん、私の心もいつも側にいるから! 皆で…楽園で! また会えるその日まで…おやすみなさい」


 幸せだ。


「我らが故郷、楽園の門は開かれる!」

 本来とは違う詠唱は、自身を囲むように金色の園が展開される。

 驚き目を見開く。

 眩しさを全て取り込むように開かれた瞳は、はっきりと金色の園を映す。

 色のない『ディストピア』と真逆の希望の園。

「踏み荒らされることのない花園は、子らを迎え入れ永久を誓う。最後の楽園『ユートピア』」

 花園の光は、自身を包み込み現世との別れを告げる。

「お帰りなさい! おねーちゃん!」

 一際強い光に包まれ、この言葉が最後となる。


「ただいま」










 温かな光に優しく起こされ周囲を見渡せば、人や動物もなく、植物と妖精のみ。

 起き上がり、ふらふらとあてもなく歩き続ける。

 妖精達はクスクスと笑い、構ってほしそうに周囲を飛び回るが、何かに呼ばれた気がして振り返り走り出す。

 見えてきたのは大きな植物。

 と、植物に絡まるように寄りかかる女性。


「お母様!」




 最後は楽園に……。

 家族の待つ場所に帰りたい。

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