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紗也香の過去

私は、今朝から引越しをしていた。

父さんは、仕事のため不在であるが、業者の方がいたので、引越しはスムーズに、昼をすぎた頃に終わることができた。

もともとこのマンションは、家具が付いていたので、運ぶものはあまり無かった。

父さんの転勤で、このマンションに引っ越すことになった。3LDKを父と2人で住むには、広い気がする。もともとこの街には、小学校低学年くらいまで住んでいた。私は、記憶力には、自信があるので、この街のことをよく覚えている。隣に彼が住んでいることも。




私は、小さい時から父さんが仕事で忙しく、家に1人でいる事が多かった。母さんは私が小学生の時に家を出ていった。自分で言うのもなんだけど、私は小さい子にしては頭が働く方だったので、母さんはもう家に帰ってこないことを、理解していた。もともと父さんは多忙だったため、一緒にいる時間が少なかった。家には母さんがいたが今はもういない。その事が悲しくて、1人が寂しくて、よく家で泣いていた。


それでも、この生活には慣れてくるもので、

1ヶ月もすれば、泣くことも少なくなっていた。父さんも、今までより、一緒にいる時間を増やそうとしてくれて、朝早く起きて、朝ご飯と夜ご飯を作り置きしてくれていた。


ある日の事だった。

参観日があった。友達はみんな、親が来ていた。でも、私は、父さんが来ることはなかった。周りのみんなが、元気よく手を挙げて発表しようとしてる中、私は、悲しくて、手を挙げる気にはなれなかった。


その日、私は、友達と帰るのではなく、1人で帰ろうとしていた。友達は、親と帰っているから。

家に帰っても、暇な私は公園のベンチに座って、楽しそうに話しながら帰っている親子を眺めていた。急に寂しくなって、私は、目元が熱くなるのを感じた。最初は堪えていたが、ダムが崩壊したように、抑えれなくなった。止まらなかった。嗚咽をあげながら泣いた。

そんな私を見かねて、男の子が駆け寄ってきた。後を追いかけるようにして、その子の母親も。


「どうしたの?」


私は消え入りそうな声で答えた。


「大丈夫。少し寂しくなっただけだよ。」


笑顔を作ろうとしても、上手く作れなかった。涙が頬を伝って、地面に落ちていった。


「パバとママはどうしたの?」


彼の母親らしき人物が優しい声で話しかけてきた。


「お父さんは、仕事で忙しくて。お母さんは、いないの。」


そう答えた瞬間、彼女は顔をしかめた。


「じゃあ、おばさんの家で待っていよっか。」

「い、いいの?」

「もちろんよ。蒼真もいいわよね?」

「うん、いいよ。」


こうして私は、宮城家にお邪魔することになった。



「さやちゃんは偉いね。すごいよ。」


蒼くんは、そう言って私の頭を撫でてくれた。私は、恥ずかしさと嬉しさが込み上げてきて、頬は、赤くなっていたと思う。

私は、蒼くんとおばさんに私の家の事情を話した。その話を聞いた彼はすぐに、私を褒め、撫でてくれた。すごく優しいんだと思う。それに、天然だった。

頬を赤くした私を見て、「熱あるの?大丈夫?」と聞いてきたからだ。

本当に恥ずかしい//

おばさんは、「違うわよ、蒼真」と言って、蒼くんを叩いた。

「ええ?なんで?」と、蒼くんは、納得いっていなかったが。

この頃の私は、単純だった思う。蒼くんのことをすっかり好きになっていた。

帰り際、おばさんが「いつでも、遊びに来てね。」と言ってくれたので、私はこれから毎日遊びに行けると嬉しかった。


それから私は、ほぼ毎日遊びに行った。おばさんも蒼くんも暖かく迎えてくれた。私は本当に楽しかった。嬉しかった。でもそんな生活は1ヶ月程で終わりを告げる。


「紗也加ちょっといいか」


父さんが真剣な顔で私を呼んだ。


「どうしたの?」


父さんの真剣な表情に少し気圧された私は、小さな声で答えた。嫌な予感がした。

そして父さんは、私に告げた。



「明日、引っ越すことになった」と。







予想以上に長くなってしまったので、2話に分けます!

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