16.魔法の実験台
名前の間違いがありました。報告ありがとうございます。
午後は一眠りしたあと、図書室でマルグリットとお勉強となった。
私の勉強は基本文字を覚えることだ。
実はその辺りはもう書けるんですよ、と思ったけれど、復習のためにそのまま勉強することにした。
その間、ディオとエドガーは好きに読書していた。
私も早くすらすらと読めるようになりたい…
夕食の後、お風呂を入れる担当は練習を兼ねてマリアンナがすることになった。
本日の監視役はエドガーだ。
(温度39度、湯量は浴槽の6分目に設定)
さーっとお湯が溜まっていく。
丁度よい量でお湯が止まった。
「どうですか!?」
思っていたとおりにできて、マリアンナは満足気にエドガーを振り返った。
「うん!上手だね」
「これならひとりで入れそうです」
「ああ、そうだね。別に母上に言えば一緒に入ってくれると思うけど」
いえ、お風呂は一人でのんびりゆったりと浸かりたいタイプなんですよ。
誰かと一緒も楽しくていいんですけどね。
マリアンナが一人でお風呂を楽しんだ後、タオルで体を拭いていてふと気になった。
昼間魔法で濡れたとき、風で乾かしてもらったら、ちょっと皮膚が乾燥したのだ。
お風呂の後はタオルで優しく拭いて保湿したい。
髪はまだ量が少ないのでタオルドライですぐ乾く。
マルグリットは濡れた髪を纏めて部屋に行ってしまったのでその後どうしたか分からなかった。
みんな風魔法でぶわっとやっているのだろうか。
考えながら髪をタオルで乾かそうとして、ふとドライヤーのように魔法が使えないか気になった。
しかし一人で魔法を使うわけにはいかない。
「あ」
さっと寝間着に着替えて誰かいないかと廊下に出ると、丁度ディオとエドガーが通りかかった。
「兄さま、エドガーさん、まほうみてもらいたいです」
「え、どんな?」
「かみを、かわかしたいです」
「ああ、いいよ。今から入ってくるから私で試すかい?」
エドガーがマリアンナに提案した。
「えっ!いいんですか?」
「ああ、私なら危なかったら消せるから」
「ありがとうございます!」
***
「では頼むよ」
「はい!」
エドガーには入浴後、マリアンナの部屋に来てもらった。
なぜかディオとマルグリットも一緒だ。
「ここにすわってもらえますか」
マリアンナは自分のベッドをポンポン、と叩く。
エドガーは少し躊躇したが従った。
マリアンナもベッドに上がってエドガーの後ろに立つ。
そうしないと背が届かなかったのだ。
「かみにさわっていいですか?」
「え、ああ。どうぞ」
マリアンナはエドガーの緑色の髪にそっと手をやった。
タオルで軽く拭いただけのようで、しっとりと濡れている。
「あつかったらとめてください」
「えっ、熱い?」
マリアンナは手で髪を梳きながらドライヤーの「強」を思い浮かべて風を起こした。
「うわっ!」
「あっ、あつかったですか?」
エドガーがびくっと離れたため、マリアンナは即座に魔法を抑えた。
「い、いや、風が暖かかったから…驚いた」
「まあ!」
「暖かい?」
マルグリットとディオも驚いたようだ。
「だいじょうぶですか?」
「ああ…すまない、もう一度頼む」
マリアンナはもう一度ドライヤーを思い浮かべて風を起こし、髪の流れに沿ってゆっくり手を動かした。
ほとんど乾いたところで「弱」にしてマイナスイオンとか出ないかな、と思いながら髪を梳く。
「わー、きれいになりました!」
エドガーの髪がいつもよりサラサラになった気がする。
どうやらお風呂もそうだが、明確に思い浮かべることができるものだと魔法の調節も上手くいくらしい。
「すごく気持ち良かった…」
「ふふ、よかったです」
「私もすぐ入ってくるからお願いしたいわ!」
「いや、私が先だ」
マルグリットとディオが我先にと行ってしまった。
「マリオ…大変だぞ、あれ」
「アハハハ…」
結局その後、マリアンナは順に2人の髪も乾かすことになった。
少し大変だったが、とても気に入ってくれたので良しとする。
―おまけ―
「おい、やっぱりあんな小さな子が一人で入るのは危ないんじゃないか。ちょっと様子を見に…」
「だ、大丈夫ですって!マリオはしっかりしてますから!」
「ならせめて浴室の前で待機しよう」
「えっ、ちょ…」
「…時間がかかりすぎじゃないか」
「ゆっくり温まっているんでしょう(…女の子だしな)」
「もう待てない。行くぞ」
「いやっ!大丈夫です!!あ!今!中の戸が開く音がしました!そろそろ出てきますから!
(こんなところにいたら幼女趣味の変態だと思われてしまう!)」
「あ、兄さま、エドガーさん、まほうみてもらいたいです」
「え、どんな?(良かった!ずっとここにいたのは気づいてないみたいだー!)」




