薄桃色の心、白く散って【上】
作者主人公、病気
※この作品はフィクションです。「自分を主人公にして書いてみよう」をテーマとしたフィクション作品です。
僕の記憶に残るいくつかの失恋の中でも、一際異彩を放つ一つの出来事―――。
ある日、母親の職場友達の娘だという、菊水ほのかさんと会った。美人か?可愛いか?と問われれば文句なしに頷ける······。という程では無いが、個人的には見た目も好みだったし、性格も悪くなく、すぐに好きになれた。幸い、僕のことも好いてくれたようで仲良く過ごすことが出来た。この時はどこに行ったのか?もう、あまりはっきりと覚えていない。たしかイオンだったかアリオだったか。確かアリオはまだできていないはずだから、おそらくイオンだ。結局はお母さん達の買い物及びウィンドウショッピングだったので、僕達は何やかんや暇していた。一つ年上のほのかさんに連れられ、本屋に行った。当時僕は小学校低学年だったはずだ。それも一か二。するとほのかさんは二か三だったのだろう。そんな歳で厚い小説を読んでいたほのかさんの様子を、僕は物珍しく見ていた。何を読んでいたかまではさすがに知らないけれど。なんだか特徴的な題名だったような気がするのでほのかさんはハルキストだったかもしれない(笑)まあ、ともかく、小説を読んでいたほのかさんに憧れ、僕も本を読んでいた。厚い小説なんて洒落たものではなかったけれど。キャベたまたんていとかじゃないかな(適当)絵本ばっか読んでいた頃だから、まあまあな進歩だと思うぞ。うん。恐らく、僕が小説好きなのはこれが発端だろう。色々な影響を与えてくれた人だった。ほのかさんは。さて、長い長い親達の買い物が終わって······次はフードコートに行った。なんだかチョイスが大人びていた様に見えたほのかさんを見て、僕も冒険してそれらしいものを頼んだが、口に合わなかった。当時の僕にはお子様セットがテンプレだ。そのあとも買い物をしたりしていたのだろうが、昔のことだ。あまり覚えていないので割愛する。
日は移ろい、数ヶ月が経った。今度は母、職場友達、ほのかさん、そして僕とで夢と希望のワンダーランドに行くことになった。素直に嬉しかったのだが、なかなか会えかったほのかさんと会えるのも嬉しかったのかもしれない。まあ、小一だか小二の僕を問い詰めても答えは得られなそうだ。この頃の僕はどうせバカだ。まあ、そんな訳で二足歩行する動物達の国に来た訳だが、昔ということもあるかもしれない。意外にもあまり覚えていないのだ。正直いって。だが、覚えていることもある。それは、度々ほのかさんが職場友達さんに連れられてどこかへ行っていた事だ。そこまで気にはしていなかったのだが。
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