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第16話「協会」

ブクマ&評価ありがとうございます。

順調に進めていると思います。

さっきの女の子はどこに消えたんだ?



まぁ、この世界について全く知らないんだ。気配くらい消せてもおかしくはないな。

ただ、そうなってくるとこの世界で一番弱いのって俺なのか…。



いや、分かっていたけれど、メイドや執事に負けるのか。せめてさっきのメイドの子くらいには勝てるようにならなきゃ、自分の身すら守ることが出来ない。



「このお茶おいしい。」



「それは良かったですわ。よろしければ他の茶葉も味わってみますか旦那様?」



……!!


アリアか…。なんだこの屋敷は、気配を消して後ろから出ることを是非とも禁止していただきたい。


ただ、俺がお願いすると、アリアなら本気でやりかねない。メイドさん達の命を守るためにも、無駄なルールは増やさないようにしよう。




「アリアか、びっくりさせてくれるな。」



「あら?私は気配遮断使わずに普通に扉を開けてきましたわよ?」



前言撤回、俺がお茶に集中していただけだったようです。ごめんなさい。


皆存分に気配消してください、どうせ俺は分からないからな。



「そうですわ、旦那様。家の裏に協会があるのですが、お祈りしていきますか?」



「協会か…神様にでも祈るのか?」



「そうですわ、神様におねが…コホン。お祈りすることで、稀に恩恵に変化がある人もいるのですわ。ですが、基本的にはありませんわね。



噂によれば、聖女は神様と会話をすることができるらしいですよ。」



今お願いって言おうとしなかったか?まぁ、人のお願い事を詮索はしないようにしよう。なぜか知ったら後悔しそうな気がする。


「なるほどな。神様は実在する世界ということか。





ん?神様と会話?????」



「どうかなさいましたか?」



「ぁぁぁあぁぁぁあぁあああああああーーーーーーーーー!!!!!」



「きゃっ」



「あぁ、アリアすまない。俺、教会に今すぐ行きたい!すぐに祈りたい!」



「ぇ…。えぇ、構いませんわよ。では一緒に参りましょうか。」



そうだ、忘れていた。


まだ一日も経っていないけれど、ルルとミミにこの現状について聞けるかもしれない。


とりあえず、なぜ俺がスラム街みたいなところにいて、どんな状況に陥っているのか聞きたい。



アリアの隣を歩いて、教会に向かった。時折俺のほうを見ては笑いかけてくるアリアを見て、普通のときのアリアは美人なのに…残念だなと心底思った。



「ここが…協会?」



そこにはお世辞にも協会と言えるような場所は見当たらなかった。



しいて言うならば、古びた山小屋だ。最低限掃除はできているが、イメージとかけ離れた協会がそこにはあった。



「この協会は、昔善意で作って下さったシスターがいたんですの。


ですが、そのシスターはすぐに旅立ってしまい、何とか協会としての現状を維持するだけで精いっぱいですの。」



シスターが作ってくれたのならば、最低限協会としての機能はある…と思う。とりあえず、礼拝をするために扉を開けた。



「こちらですわ。」



流石にシスターはいないか。


そう言えば、祈ることで恩恵に変化があるとか言ってたな。恩恵がどういったものか良く分からないが、祈って損したということはないだろう。



「早速祈ってみたいんだが、作法がよくわからない。誰か教えてくれないか?」



「俺はドワーフ流の祈り方しか知らないからなぁ。ルクス、教えてやれ。」



一瞬とても嫌そうな顔をされたが、見なかったことにしよう。



「しょうがないな。


いいかい?まずは像の前で片膝をつくんだ。足が悪い人は座ってもいいけれどね。


像の眼を見ながら、両手を胸の前で交差する。


そしてお願い事を思いながら、目を閉じる。


たったこれだけさ。」



現代宗教からすると、決まった曜日に礼拝したり、方角が決まっていたりするけれども、どうやらここでは関係ないらしい。



それにしても神様の像か。いったいこの世界には何人の神様がいるんだろう。



「アリア、神様って何人いるんだ?」



「そうですわね、種族によっても奉っている神様は違いますから一概に言えませんが、およそ100程度いると思われますわ。


ちなみに、神様の使いである天使様や、妖精様は、極稀にですが地上にいらっしゃることがあるんですの。



熱心な教徒であれば、巡礼をしている方もいらっしゃるくらいですわ。」



そんなにも神様がいるのか。転生前に見た神様はごく一部ということか。それにしても協会の像ってどんな形をしているんだろう。



「なぁ、そんなに神様がいるんなら、教会においてある像って、数十体も置いているのか?」



「いえ、全ての神様の共通の使徒でいらっしゃる、ローレン様の像が置いてありますわ。」



それもそうか。協会を作るたびに数十体の像を作っていたら、教会を簡単に作れないもんな。随分と社畜精神旺盛な使徒だこと。



「こちらについて来てくださいませ、旦那様。この像こそローレン様ですわ。なんとお美しい。」



「へぇ、これが…。」



そこにあった像は確かに場違いな程に美しかった。



石で作られているのだろうか、少々粗削りな部分はあるけれど、出るところは出ていて、前に神界で見た服装を着ている。



どうやら、神様の類に会える人間がいるということは本当のようだ。


ただ、この姿…

どこかでみたような気がするが…



真っ白だから気づけないだけかもしれないな。まぁ、他人の空似ということもあるし、頭の隅にでも置いておこう。



「さっそくお祈りをしましょう。」



アリアの合図を境に、皆集中したお祈りを捧げている。


あの強面のオルダムですら真面目に祈ってるところを見るに、この世界でも神様に祈ることは神聖視されているようだ。



じゃあ、俺もお祈りしてみますか。


異世界物だと大体、祈ってるうちに神様のいる世界に行って、体感時間は異なるみたいなオチがあるんじゃないかと期待しつつ、祈りを始めようとしたその時…






「アリア様!!!」



黒装束の男が入ってきた。






誤字脱字あったらすいません。

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