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第11話「侵入者」

ブクマ&評価ありがとうございます( ;∀;)


<side アリア>


「報告します。東南の方角、距離はおよそ10㎞先に魔力感知いたしました。おそらくですが、異世界人かと思われます。」



「…すぐに向かいます。アル、ジルの二人は私の護衛を。オル、貴方はメルを連れて索敵、メルに連絡役を頼みます。」



「はっ。」



私はアリア、ただのアリアです。


「糸」の大幹部である「隻眼」の部下にして、幹部唯一の二つ名持ちです。ただ、大幹部のうち一席は空席なので、もうすぐ私が…ふふっ。



おっといけません、出世欲は人一倍強いですが、腹黒と呼ばれるのは心外です。せめて策略家と言ってほしいものです。



ルクスちゃんとの会話は楽しかったわ、女の子という壁を取り払いきれていないあの子の悩み、打ち明けてくれること自体が信頼の証。



もっともっと信頼を集めたいですわね。もちろん深い意味はありませんよ、ただちやほやされたいだけです。


ただ、これは私にとって尽くしたい殿方に会える確率が高まるから行っているだけなのですよ。



そこらに転がっているお人形さんたちに愛想を振りまく必要はありません、だって興味の外にいるだけなのですから。



そんな部下たちはなぜか私を慕い、ついてきてくれます。だから、手足のように動いて命を散らしてくれる部下たちのことをお人形さんと呼ぶんです。



私の中で人間であると思える人はほんの一握りです、もちろんルクスちゃんは可愛い女の子ですれどね。



「それにしても異世界人ですか…みな黒髪黒眼という情報ですが、そんな人間見たことありませんわね、本当なのでしょうか。」



現在世界で活躍している中、異世界人だと思われる人はわずか二人。であったこともない彼らですが、いったいどんな人物なのでしょう。



「アリア様、準備のほう整いました。」



「ではついてきなさい。」



いけないいけない、私としたことが思考の海に沈んでいましたわね。異世界人、とても楽しみですわ。



--------------------------------------------

<side 宗>


なんだか妙な胸騒ぎがする。



とりあえず昨日放置していた、今後についての話を今からしていこうと思う。



まずは世界の把握が最重要だと思う。大体異世界の情勢を知らないと選択ミスが増えると思うからな。


俺はここで生きていくんだ、世界情勢に疎いことだけは避けたい。




「なぁオルダム、俺はこの世界について何にも知らない。まずは世界とかから話してもらえると助かる。」



「そうだなぁ……


その前に主よぉ、相談したいことがある。」



「相談?いったいなんだ。」



「あぁ、この家が昨日の夕方くらいから常に見張られていたのは知ってるか?


そいつらが主が起きてから家に近づいて来てやがるんだがどう対処してほしい?」



「…は?」



ちょっと待ってくれ。見張られていた?誰に?というかなんでだ、理由がわからん。とりあえず、オルダムに意見を求めてみた。



「基本的に気づいてもかまわないから、人数増やして逃げないようにしているという認識のが敵の思惑だと思っているぞ。


殺すだけなら、寝ている間に登場するもんだし、隠れて殺すにしても暗殺者が気配を察知させるなんてことはさせないはずだからなぁ。」



「そ、そうか…つまり、相手には交渉の可能性があるよな?」



「そりゃあるにはあるが…人数差的にだが、話を聞くようなたまじゃねぇと思うがな。」



人数を多く連れてくるってことは、恐らくだけど個々の強さはオルダムより低いだろう。ならば、人数差を活かして交渉を有利に進めたがる性格なんだろう。



「オルダム、交渉のテーブルを設ける。すまないが、俺と一緒に家の外に出てくれないか。」



「あいわかった、主よ。」



「オルダムさん、危険だ。僕がこいつと一緒に外に出るよ。」



今まで蚊帳の外にいたルクスが会話に参加してきたかと思ったら、ルクスが付いてくるだって?



まぁ、俺からしたらオルダムのほうが交渉がうまく運ぶと思うんだがなぁ…


ちらっとオルダムのほうを向くと、決めるのはお前だ!みたいなアイコンタクトを送ってくる。



仕方がない、ルクスと俺の関係はよくわからないが、いきなり襲ってくることはないだろう。



「わかった。ルクス、ついて来てくれ。」



「言っておくけど、僕はオルダムさんを危険に合わせたくないだけであって、お前なんて守ってやらないからな。」



まぁそんなところだろうと思っていたさ。だが、これで俺を襲ってくる心配はなくなった。それだけで十分だ。


「じゃ、ちょいと出てくる。すまないがオルダムはテーブルの用意をしておいてもらってもいいか?」



「わかった。

主よ、危険と判断したらすぐに俺のところに走ってこい。命を懸けて守ると誓おう。」



「ありがとう。頼りにしている。」



というか頼れる人がオルダムしかいないんだけれどな。それでも、話しやすいし、今のところ一番頼りになるのも事実だしな。



「…お前が死ぬとオルダムさんが悲しむ。



すごい不本意だけど、いざとなったら少しくらい応戦してあげる。」



やっぱりルクスって優しいよな。なんか妹と重ねてしまう。二人ともなんだかんだ言って最後は手を差し出してくれるあたり優しすぎるんだよな。



「頼んだ。」



そう言ってほぼ無意識のうちにルクスの頭を撫でていた。



昔から、凛にしていたから、癖になってるんだよな。ほら、丁度身長的に頭に手が置きやすい位置にあるし。



「…んな!!!//////


き、きやすく!さ、触んな!!!」



「すまんすまん、妹と重ねてついな。」



「ったく、これだから男は…いや、僕も男になったんだ、こんな小さなことでは気にしない。今のはノーカウントだ、不意打ちはノーカウント…そう、気にしない、大丈夫。」



ルクスが呪文のようにぶつぶつ言ってるけれど、頭を撫でることはそこまで侮辱に当たるんだろうか、異世界の常識を学んでから行動しないとな、俺も気を引き締めなきゃ。



「ルクス、わかっちゃいると思うが、相手のお偉いさんは扉のすぐ前まできてるからな、気を付けろよ。」



流石にこの会話の時間を悠長に待ってはくれなかったか。



冷静だ、俺は前世で学んだはずだ。冷静さを欠くことは死を意味すると。もう失敗はしない。


そう考えながら扉をゆっくりと開けた。








「す!!!!!好きです!!!!!!私を抱いてください!!!!」




これでもゆっくりと登場人物を出している予定です…

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