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(10)エラはシンデレラと呼ばれるようになりました。

渋々家に帰ると、まぁ悲惨だった。


まず、部屋を取られた。


屋根裏部屋は天井が低くて、腰が辛い。


朝は早くから起きて

薪割り

洗濯

朝食の用意

洗濯干して

朝食の片付け

屋敷中の掃除


合間に

『エラ、あの服はどこ?』とか

『エラ、お茶頂戴』とか

余計な仕事が入ってくる


昼飯用意して

片付けたら

庭の掃除

花の水やり

馬小屋の掃除に

馬の手入れ

畑の作物も見なきゃなんねぇし


そしたらすぐにティータイムとかふざけてやがる


夕飯準備して

片付けたら

昼にやり残した仕事

たまーに風呂の準備

(なんで毎日入らないんだ?)



マジで寝る間もなく


野球なんてする暇もねぇ


第一、こんな量の仕事

一人でこなせるはずがねぇ


寒くなってきたから

暖炉の掃除があるんだけど

これが慣れないし

重労働。


灰を掻き出してると全身灰まみれ。


そしたらアナとドリアンが

『まぁ汚い』とか『灰かぶり(シンダー)』とか言ってきやがる。

そこに、トレインが来て


『本当に汚いわ。シンダーエラね』

『あら、それいいんじゃない?シンダーエラ、シンダーエラ…シンデレラ!』

『今日からシンデレラって呼びましょ!アハハハ』


えー…

シンデレラって名前

あだ名だったのかよ~。


しかもめっちゃ笑ってるし。


シンデレラ好きの子達は、この事実に哀しみとかないのかね?


◇ ◇ ◇ ◇


俺は困っていた。


何故なら今日、突然ドリアンに


『これ、縫っておいて』


って、布を渡されたからだ。


『え?これで何縫うの?』


って聞いたら


『ドレスに決まってんでしょ?』


だって。


マジか。


裁縫なんて出来ないぞ。


この万事休すな展開。


どうすんだ。


どーでもいい時はやって来るのに

困ってる時はちっとも来ないへっぽこ神め。


頭を抱える俺の視界に飛び込んできたのは、いつかへっぽこ神がくれた【四次元風ポケット】だった。


藁にもすがりたい俺は

そのポケットに手を突っ込み


『どこでもミシン…』




……


………


む、むなしぃぃぃ


止めときゃ良かった~


『呼んだ?』

『どわっ!』


肘を置いていたテーブルから


いきなりへっぽこ神が生えてきた。


『…え?出るとこ選べない感じ?』

『自由自在じゃが?』

『あっそ…。じゃあ選べよ』

『まぁまぁ。で、何か用かの?』

『あ、用っていうかさ、俺、裁縫なんて出来ないんだよ。なのに、ドレス縫えとか言われて困ってるんだよ。なんかさ、自動で服を作ってくれる機械とかさ、ない?』

『う~む………』

『ないならいいや』

『う~む………お』

『お?』

『ちょっと待っとれ』


またテーブルへと戻っていくへっぽこ神。


すぐにまたテーブルから

にょきっと生えてきた。


『待たせたのぅ』

『だから出るとこ!』

『ではどーぞ!』

『無視かーい』


へっぽこ神の横から

見知らぬ女の人が生えてきた。


『ハナコさんです』

『どーもー♪』

『…どうも』

『ハナコさんは手芸教室の先生をしとった人じゃ!先ほどお亡くなりになったばかりじゃ!』

『ホヤホヤでーす』

『……いや陽気だな!』

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