2
…パタン。
私が何かしてしまったんだろうか。
メイドとして働きだしてからまだ数ヶ月だけどクリスさんから注意を受けることもだんだん少なくなってきて少しはレイモンド様のお役に立てるようになってきたかな?と思っていたのに。
思い上がりもはなはだしい。数ヶ月しか働いていない私が…お屋敷から一歩も出たことがない私がレイモンド様のお役に立つなんて無理だったのかな。
どうしたらいいんだろう。レイモンド様…。私なんてもういらないの?
*
はぁ。レイモンド様には困ったものだ。根が真面目な方だからサラサと距離を置こうとするのも分かるが…。今さらもう手遅れだろう。サラサが他の若い奴らと話をしているだけでも相手を射殺しそうな目で見ているくせに。
サラサを忘れようと他のご令嬢たちと付き合ってみたこともあるようだが…いや、正式には付き合ってはないのか?
結局他の誰もサラサの代わりにはなれないってことに気づいたんだろう。レティシア様の件もあるしな…。早くどうにかしないとサラサに逃げられてしまうぞ。
***
コンコンコン。
「………」
コンッコンッコンッ。
「………」
コンッッコンッッコンッッ。
「………」
(どんだけ寝起きが悪いんだレイモンド様は。寝起きが良かったのはサラサだったからか?まさかノックの音で判断してるってことないだろうな?)
ガチャッ。
「おはようございます。レイモンド様。良い朝ですよ。」
「…。」
「レイモンド様。朝です。」
「…ん。」
「あ・さ・で・す・よー!」
「………はぁ。おはよう。」
「どうしたんですか?朝からため息ついて。そんなに起こしに来たのがサラサじゃないことが堪えましたか?」
「!!!」
「はぁ、ほんとに。サラサと距離を取らないと、とか思ってるんだと思いますけどそれで後悔することになっても知りませんからね。」
「………。今日の予定は?」
「はいはい。午前中は昨日届いた書類の処理と手紙のお返事を書いて頂きます。それから夕方までは予定はありませんが夜はシャーウッド子爵の夜会です。」
「シャーウッド子爵…か。そういえば母から送られてきた見合い写真の中にシャーウッド子爵の娘がいたような…。母の仕業か。」
「そのうち他のお見合い写真も無視できなくなりますよ。レイモンド様が結婚相手をレティシア様に紹介するまでは。」
「……。」
「あと先ほど手紙が届いたんですが、今日ノエル様が来られるそうです。というかすでに来られています。」
「…っっ!それを先に言えっっ!」




