運命の光

プロローグ

今思えばあれはやっぱり運命だったのかな。

死を待つだけしかできなかった私に暖かな手を差しのべてくれた人。

誰よりも優しくて誰よりも大好きな人。

私に初めての感情を教えてくれた人。

あなたさえ幸せになってくれれば私はもう何もいらない。

あなたに返せるものは何も持っていないのだから。

でも本当は…もっとあなたと一緒に過ごしたかったな。

ただ側にいるだけでそれだけで幸せだった。

だからせめてあなたの幸せを祈ることだけは許してください。