河童似の美少女と赤鬼似の美少女と青鬼似の美少女とわたし。
「キュウリが食べたい」
そうわたしに告げたのは、河童似の美少女。
河童似の美少女なんている訳ない?
と思ったあなたは常識人です。
でもね、ここは常識の通じない空間なんです。
わたしの傍には、赤鬼似の美少女に青鬼似の美少女までいるのですから。
現在、わたしはその赤鬼似の美少女と青鬼似の美少女に襲われているところを、河童似の美少女に助けられたところです。
そしてわたしはエコバッグから、河童似の美少女にキュウリを差し上げました。
「なにすんじゃ河童!」
「河童ちゃうわ!赤鬼!」
河童似の美少女に河童と言うのは禁句で、赤鬼似の美少女に赤鬼と言うのも禁句です。
「青鬼!お前もなんか言えよ!」
しかし、青鬼似の美少女は、青鬼と呼ばれることは逆に嬉しそうです。
世の中は不思議です。
さて、ではなぜ、わたしが赤鬼似の美少女と青鬼似の美少女に、襲われているかと言うと、わたしは悪意の塊だからです。
河童似の美少女はそれに気づかず、とっても純粋な美少女らしい。
そんな美少女が、自分に危害を及ぼしかねないわたしを助けると言う、面白過ぎる状況が、わたしは楽しくてしょうがないのです。
「河童女!そいつは悪意の塊だぜ!お前にはそんな事も解らないのか?」
「えっ?」
「さすが鬼娘、良く気づきましてね。人間離れしておりますね」
「誰が鬼娘じゃ!そこまでの悪意を見逃すわけにはいかない!」
おやおや、赤鬼似の美少女と青鬼似の美少女が、わたしを浄化しようとしていますね。
まあいいでしょう。
悪意を持ち続けるのも、飽きた頃だし。
何十年ぶりに、清々しい夜明けを迎えられそうです。
完




