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タイトル未定2026/02/11 18:30

第8話への応援、本当にありがとうございます。 王権を奪い、玄関マットに書き換えるという「概念的な宣戦布告」。 これに対し、プライドをズタズタにされた王国は、ついに禁断の手に打って出ました。 隣接する軍事国家『バルムート帝国』への救援要請。 魔法ではなく、鋼鉄の物量で世界を蹂躙する「無機物の軍勢」がアレンの領地へ迫ります。 生物ではない彼らに、アレンの「精神攻撃」は通じないはずですが……?

地平線を埋め尽くすのは、規則正しい機械的な足音だった。  バルムート帝国が誇る魔導ゴーレム軍団——その数、五万。  一つ一つが家屋ほどの大きさを持ち、痛みを感じず、恐怖を知らず、ただ命じられた座標を粉砕するまで止まらない鋼鉄の暴風だ。


「……なるほど。王国が泣きついた先は、脳筋の軍事帝国だったわけか」


 アレンは白亜の邸宅のテラスから、その軍勢を悠然と眺めていた。  隣には、進化した獣人たちの部隊が、いつでも飛び出せるよう殺気を放って控えている。ガルガが巨大な斧を握り直し、アレンに進言した。


「アレン様、俺たちに行かせてください。あんなデカ物、今の俺たちなら一刀両断にしてみせます」


「いや、いいよガルガ。せっかくの新しい斧が、あんな鉄屑の油で汚れるのは勿体ない」


 アレンは空中に透明なキーボードを叩くように指を走らせた。  彼の視界には、五万のゴーレムすべてを繋ぐ「命令系統スクリプト」が、巨大なコードの奔流として映し出されている。


「生物じゃないから『死』は通用しない。精神がないから『恐怖』も通用しない。……でも、君たちは『プログラム』で動いているんだろう?」


 アレンの目が青く発光する。【鑑定】の深度を、物質の表面から、それを動かす「世界の法則」の深層へと潜らせる。


【対象:帝国製魔導ゴーレム群(50,000体)】 【共通概念:自動自律(A) / 物理破壊(B) / 動力供給(A)】


「まずはこれだ。【概念剥離(Delete)】」


 アレンが虚空をスワイプした瞬間。  地響きを立てて進軍していた五万の軍勢が、まるで「一時停止ボタン」を押されたかのように、一斉に静止した。


「な、なんだ!? 何が起きた!」  後方で指揮を執っていた帝国の将軍が絶叫する。  ゴーレムたちは壊れたわけではない。ただ、彼らの中から**『前進する』**という概念だけが消滅したのだ。


「次はこれ。【属性上書き(Overwrite)】」


→対象領域の『重力』の方向を『垂直』から『水平』に変更。


 次の瞬間、絶景が広がった。  立ち尽くしていた五万のゴーレムたちが、まるで強風に煽られた木の葉のように、一斉に「横」へと滑り出したのだ。  地面に対して水平に働く重力。鋼鉄の巨躯たちは互いに激突し合い、火花を散らしながら、一列になって国境の外へと「強制送還」されていく。


「アレン様、あれは……?」  リィンが目を丸くして問いかける。


「ああ、ただの『配置換え』だよ。彼らには僕の国に入る『権限』がないからね。……ついでに、その重厚な装甲から『防御力』の概念を抜いて、僕の国の『豆腐』にペーストしておいた」


「豆腐、ですか?」


「そう。包丁でも切れない、世界一硬い麻婆豆腐が今夜の献立だ」


 数万のゴーレム軍団を、一歩も歩かせず、一滴の血も流さず、文字通り「掃き掃除」のように排除したアレン。  帝国の将軍が、動かなくなった自軍の残骸を呆然と見上げる中、アレンの声が荒野に響き渡った。


「次に来る時は、もっと面白い『概念』を持ってきてくれ。例えば……そうだな。その帝国の『歴史』とかを丸ごとコピペさせてもらえると、こっちの図書館が潤うんだけど」


 圧倒的な蹂躙。それはもはや戦いではなく、アレンによる世界の「デバッグ」だった。

第9話をお読みいただきありがとうございました! 数万の軍勢すら、物理法則の書き換え一つでゴミ捨て場の光景に変えてしまう。 「硬度」を盗んで豆腐に貼るという、アレンらしい皮肉な強化も健在です。


次回、軍隊すら通じないことを知った王国と帝国は、ついに禁忌の「神降ろし」を画策します。 世界の創造主の断片を呼び出そうとする彼らに、アレンが放った一言は。


「……神様? ちょうどいいな。その『管理権限(管理者パスワード)』、僕に譲ってくれないか?」


次回**「降臨した神様をログイン不可にする」**。 お楽しみに!

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