「獣人たちに『武力』の概念をペーストして、伝説の部族へ進化させる」
第5話への評価、ありがとうございます! 家が建ち、住人が集まり、いよいよ「国」の形が見えてきました。 普通、獣人を鍛えるには数年の修行が必要ですが……。 アレンの編集権限にかかれば、進化は一瞬です。
「……俺たちを、最強に……?」
獣人族の若き戦士、ガルガは耳を疑った。 彼ら獣人は、生まれ持った身体能力こそ高いが、魔力を持たず、人間の魔法や装備の前には常に無力だった。だからこそ国を追われ、死を待つしかなかったのだ。
アレンは、ガルガの錆びた斧と、その痩せ細った体を見つめ、無造作に指を動かした。
「ああ。君たちの『弱点』はもう鑑定し終えた。……魔力がないなら、外部から『動力』を貼り付ければいい」
アレンは空中に手を伸ばし、かつて倒した魔獣や、騎士団から奪った膨大な魔力の残滓(概念)を圧縮して、ガルガの心臓付近に叩き込んだ。
【スキル起動:属性統合(Merge)】 →対象:獣人ガルガ。 →概念付与:『魔力炉(A)』および『鋼体(B)』を付与しました。
「ガ、アアアアアッ!?」
ガルガの体が黄金の光に包まれる。 筋肉は隆起し、毛並みは鋼鉄のような輝きを帯び、その体内からは、人間の魔導師数人分に匹敵する魔力が溢れ出した。
「な、なんだ……力が、溢れてくる……! 錆びた斧が、まるで羽のように軽い……!」
アレンはさらに、彼らの古い武器にも『概念』を貼っていく。
「ついでにその斧には『空間切断』の属性を貼っておいた。……ほら、そこの岩を撫でてごらん」
ガルガが半信半疑で、目の前にある巨大な岩を振るった。 手応えは皆無。しかし、次の瞬間、巨大な岩は豆腐のように真っ二つに分かたれ、背後の砂丘までをも一撃で切り裂いた。
「「「…………!!」」」
他の獣人たちが絶句し、その場に平伏した。 彼らが何百年かけても到達できなかった「伝説の戦士」の領域に、アレンはたった数秒で彼らを押し上げたのだ。
「さて。これで君たちは、今日から僕の国の『門番』だ。……リィン、彼らに新しい制服(概念装備)を配ってあげて」
「はい、アレン様。……ふふ、みなさん、おめでとうございます。これであなた方も、アレン様の『作品』の一部ですね」
リィンが微笑む。彼女の目には、アレンへの深い心酔が宿っていた。
一方その頃。 アレンを追放した王国の中心地では、信じがたい報告に激震が走っていた。 「……何だと? 偵察隊も、ガイルの第三騎士団も、指一本触れられずに全滅しただと!?」 黄金の獅子騎士団長・レオンが、玉座の前で吼える。
「アレンだ……。あのアレンという無能が、荒野に『何か』を築いている……!」
王国の権威が、一人の追放者によって静かに、だが確実に崩れ始めていた。
第6話をお読みいただきありがとうございました! 獣人が一夜にして「空間を斬る戦士」に。 アレンの国は、もはや一つの小国が手を出せるレベルを超えつつあります。
次回、ついに王国が「禁忌の兵器」と「最強の勇者候補」を投入。 アレンはそれをどう『編集』して片付けるのか?
「……勇者の『主人公補正』、ちょっと解析させてもらおうかな」
次回**「勇者降臨、ただし即座にデバッグされる」**。 お楽しみに!




