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荒野を楽園に変える水源ペースト編

第1話へのブックマーク、いいねをありがとうございます! 「枯れ枝」が「聖剣」になったところで、次は衣食住の確保です。 普通の開拓ものなら、井戸を掘るだけで数話かかりますが……アレンの場合は少し違います。

「……さて、まずは水だな」


 荒野のど真ん中。太陽が容赦なく照りつけ、喉はカラカラだ。普通の追放者なら、ここで数日以内に干からびて死ぬだろう。  だが、アレンは【鑑定】を空に向けて発動した。


【対象:上空の雲】 【属性:浮遊(B) / 希薄(D) / 水分(C)】


「少し効率が悪いな。もっと『濃い』やつがいい」


 アレンは目を閉じ、意識を遠くへ飛ばす。鑑定の射程を、概念の海を通じて拡張する。  数キロ先、騎士団が管理する「王立水源地」——そこには、この国で最も清らかで豊富な水が蓄えられた巨大な湖があった。


「よし、見つけた。……【概念複製(Copy)】」


 アレンの指先が、空間に浮かぶ見えない文字をなぞる。  通常なら『奪取(Cut)』を使うところだが、今の彼は魔力に余裕がある。対象の属性をそのままコピーし、目の前の地面に【貼り付け(Paste)】た。


 ゴォォォォォ!


 静寂だった荒野に、突如として滝のような轟音が響き渡る。  何もない砂地から、クリスタルのように透き通った水が溢れ出し、みるみるうちに巨大な池……いや、湖を形成していく。


「ついでに周辺の岩場に『清涼』と『微風』をペーストして……と。よし、快適だ」


 猛暑だったはずの周囲は、一瞬にして避暑地のような心地よい冷気に包まれた。  アレンが新しくできた湖のほとりで、作り替えた「硬杖」を使って魚を捕ろうとした、その時だった。


「……う、嘘……。砂漠に、湖……?」


 背後から、掠れた声が聞こえた。  振り返ると、そこにはボロボロの服を纏った少女が倒れ込んでいた。  美しい銀髪は砂に汚れ、その背中には、折られた小さな羽——種族は、絶滅したはずの【天翼族】。


【対象:銀髪の少女】 【状態:重度脱水(S) / 絶望(A) / 翼欠損(S)】


「助けて……なんて、言わない。……いっそ、殺して……」


 彼女の砂時計は、あと数時間で尽きようとしていた。  どうやら彼女もまた、この理不尽な世界に切り捨てられた「追放者」のようだった。


 アレンは静かに彼女の傍らに跪き、湖からすくった水をその唇に運んだ。 「死ぬのは勝手だけど、僕の湖を死体で汚されるのは困るな。……君、その折れた羽、いらないなら僕が『編集』してあげようか?」


 少女の瞳に、わずかな光が宿る。  アレンの手が彼女の背中に触れた瞬間、世界の法則が再び書き換えられようとしていた。

第2話をお読みいただきありがとうございました! 水源確保(物理)完了です。


次回、ボロボロの天翼族の少女。 アレンのデタラメな「エディット」が、彼女の絶望をどう書き換えるのか? 「……翼がないなら、もっといいものを貼ればいいじゃない」


次回**「翼はいらない、空を飛ぶ『概念』をくれ」**。 お楽しみに!

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