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経済封鎖? むしろ鎖国してやるよ

第11話へのブックマーク、誠にありがとうございます! 自動入国審査で「善き人々」だけを集めたアレンの国。 爆速で発展するその光景を見て、周囲の国々は恐怖に震え始めました。 「あんなデタラメな国を放置すれば、我が国の民がすべて逃げ出してしまう!」 焦った王都の残党と隣国たちは、一致団結して【経済封鎖】という手段に出ます。 物流を止め、アレンの国を干上がらせようとする彼らですが……。 概念を「コピペ」できる男にとって、流通の遮断など何の意味もありませんでした。

「報告します。王国、帝国、および周辺五ヶ国が、我が【エディット・ネーション】に対する全面的な経済封鎖を宣言しました。現在、全街道が封鎖され、商人一人の出入りも許されない状況です」


 リィンが厳しい表情で報告する。  だが、報告を受けるアレンは、相変わらず自邸の庭で、新しく開発した「座るとIQが下がるほど気持ちいいハンモック」に揺られていた。


「経済封鎖ね。……要するに、『僕たちに何も売らないし、何も買わない』ってことだろ?」


「はい。彼らは、我が国が自給自足できずに、数ヶ月で飢えに苦しみ、泣きついてくるのを待つ腹積もりです。特に塩、香料、そして魔導具の核となる魔石の供給が止まるのは、普通の国なら致命傷ですが……」


 アレンはハンモックからひょいと降りると、庭の隅に植えられた、何の変哲もない「雑草」の前に立った。


「リィン。世界で一番高い香料って何だっけ?」


「ええと……王家の儀式で使われる『龍の涙』でしょうか。一滴で家が一軒建つと言われています」


「よし。じゃあ、王都の宝物庫にある『龍の涙』の概念をスキャンして……この雑草にペーストしよう」


 アレンが指を弾く。  ただの草だったものが、一瞬で虹色の光を放つ花へと変貌し、周囲に王族すら腰を抜かすほどの高貴な香りを振りまき始めた。


「ついでに、湖の水には『最高の塩分』を、庭の石ころには『最上級魔石』のエネルギー効率を上書きしておいた」


【概念編集:資源革命(Material Edit)】 →対象:領地内の全無機物。 →処理:周辺諸国の『特産品』および『貴重資源』の属性をランダムに付与しました。


「……アレン様。これでは、わざわざ外から物を買う必要が全くありません。というか、そのへんの砂利を一つ拾うだけで、隣国の国家予算レベルの価値があります」


「そうなんだよね。だから、こっちから一つ提案しよう。経済封鎖されるんじゃなくて、こちらから『鎖国』するんだ」


 アレンは立ち上がり、国の境界線……かつて設置した「鳥居」のコードをさらに書き換えた。


【属性追加:概念的不可視(Stealth)】 →処理:許可なき者にとって、この国を『ただの蜃気楼』として認識させます。


「よし。これで外の世界から見れば、ここはただの不毛な荒野に戻ったように見える。……でも、中では世界で最も贅沢な暮らしが続く。嫌な奴らに僕たちの『豊かさ』を見せてやる必要なんてないだろ?」


 数日後。  アレンの国が飢えるのをニヤニヤしながら待っていた各国の視察団は、絶句することになった。  そこにあったはずの白亜の塔も、豊かな湖も、すべてが消え失せ、ただの砂嵐が吹き荒れる「死の荒野」に戻っていたからだ。


「……あ、アレンの国が消えた!? 滅びたのか……?」 「いや、違う。……あそこに、何か看板が立っているぞ」


 かつての門の跡地に、一枚の立て札があった。


『現在、エディット・ネーションは「概念的メンテナンス中」につき、他国との一切の関わりをデリートしました。なお、こちらで生産した「王家の香料」は、現在うちの家畜の寝床に敷いてあります。欲しければ、自分たちの「傲慢」という概念を捨ててから出直してね』


 経済で殺そうとした国々が、逆に「世界の最先端」から完全に置き去りにされた瞬間だった。

第12話をお読みいただきありがとうございました! 封鎖される前に自分から隠れる。 資源がないなら雑草をダイヤに変える。 アレンの「設定勝ち」が、国家レベルの戦略すら子供の遊びに変えてしまいました。


次回、鎖国して自分たちだけで楽しんでいたアレンの元に、想定外の来客が現れます。 それは敵国の軍勢でも、神でもなく……。 「……え、君、僕を追放した騎士団の『末端の給仕係』だよね? なんでそんなボロボロでここに?」


次回**「元同僚の家出、そしてブラック組織の崩壊」**。 お楽しみに!

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