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聖域オープン、移民の行列が止まらない

第10話への熱い応援、ありがとうございます! ついに「神様」というシステムの元締めまでデバッグしてしまったアレン。 管理者のパスワードを郵便受けに貼り付けるという暴挙により、彼の領地は世界で最も「安全」かつ「デタラメ」な場所となりました。 今回は、その噂を聞きつけた世界中の人々が、アレンの元へ押し寄せる「建国・拡大編」の幕開けです。 ただし、アレンの入国審査は一筋縄ではいきません。

神の化身が消滅してから一週間。  アレンの領地である「死の荒野」改め【エディット・ネーション】の境界線には、見渡す限りの人だかりができていた。


 王国で不当な重税に苦しんでいた農民。帝国で実験体にされかけていた魔導師。そして、住む場所を追われた亜人たち。  彼らにとって、神を追い返したアレンは、既存の支配構造を破壊してくれる唯一の希望だった。


「アレン様、門の外には既に数千人の人々が。中には他国のスパイも混じっているようですが……いかがいたしますか?」


 光の翼を羽ばたかせ、上空から報告するリィン。  アレンはバルコニーに置いた寝椅子(もちろん『最高級の安眠』をコピペ済み)に深く腰掛け、面倒そうに鼻を鳴らした。


「数千人か。一人ずつ面接するのは時間の無駄だな。……リィン、門の前に『自動選別フィルター』を設置しよう」


「じどう……せんべつ?」


 アレンは立ち上がり、境界線に向けて指を弾いた。  砂漠の砂がひとりでに舞い上がり、巨大な「光り輝く鳥居」のような門が形成される。


「あの門を通る時、自動で【鑑定】が走るように設定した。……悪意、差別意識、そして『怠慢』。それらの概念を心に持っている奴は、門をくぐった瞬間に『元の場所』へ強制送還リターンされる」


 アレンがその「門」に新たなコードを書き込む。


【属性付与:自動入国審査(Customs)】 →対象:門をくぐる全存在。 →処理:『敵意』または『寄生根性』を検知した場合、座標を『出身地の牢獄』へ上書きします。


 列の先頭にいた、傲慢そうな身なりの男——王国の元貴族が、鼻で笑いながら門をくぐろうとした。 「ふん、無能な鑑定士の分際で。私が管理を手伝ってやろうというのだ、感謝——」


 シュンッ!


 言葉の途中で、男の姿がかき消えた。  次の瞬間、彼は数百キロ離れた王国の地下牢に、全裸で転がっていることだろう。


 一方で、幼い娘を抱えたボロボロの母親が、怯えながら門をくぐる。  彼女たちの体が柔らかな光に包まれた。


【概念付与:健康維持(A) / 言語理解(A)】


「あ……体の痛みが消えた……。ねえ、お母さん、お腹が空いてないよ!」


 門をくぐった途端、空腹や病の概念がデリートされ、代わりに「この国で生きるための基礎能力」がペーストされる。  それを見た人々は歓喜の声を上げ、次々と門をくぐり始めた。


「よし、これで労働力は確保できたな。……ガルガ、君の部下たちに命じて、あそこに建っている『全自動マンション』へ彼らを案内してくれ。あ、部屋割りは『運命の適合率』で勝手に決まるようにしといたから」


 アレンが指をさした先には、いつの間にか、白亜の巨塔がいくつもそびえ立っていた。  入居者の好みに合わせて間取りが自動で変わる、アレン特製の「意思疎通住宅」だ。


「……アレン様。もしかして、この国には『苦労』という言葉がなくなるのでしょうか?」


 リィンの問いに、アレンは王権の玄関マットで靴の汚れを落としながら、不敵に笑った。


「まさか。僕は『楽しい苦労』は残しておくよ。……ただ、誰かに決められた理不尽なルールで泣く奴は、僕の国には必要ないってだけさ」


 急速に膨れ上がる人口。  そのすべてが、アレンという一人の男の「設定」によって管理される、史上最も効率的で幸福なディストピア——いや、ユートピアが完成しつつあった。

第11話をお読みいただきありがとうございました! 入国審査すら全自動。悪党は牢屋へ、善人は天国へ。 アレンの国は、もはや既存の国家が太刀打ちできない「異次元の文明」へと突入しました。


次回、この発展速度に焦った周辺諸国が「経済封鎖」を断行。 アレンの国から物資を遮断しようとしますが、アレンは笑って応えます。


「……あ、他国の『特産品』の概念、全部こっちの畑にペーストしといたから。輸出はいらないよ、むしろこっちが『幸せ』を輸出してあげようか?」


次回**「経済封鎖? むしろ鎖国してやるよ」**。 お楽しみに!

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