表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/77

第66話 罠解除

 ネズミの情報によれば門は夜、閉じている。

 通用門があるのだが鍵が掛かっていて開けられない。

 盗賊のジョブを持っている人がいれば良いのだが、生憎といない。

 そこで俺が罠解除の技能を覚えようと考えた。

 しかし、二人に知られると、夜中に女の子の部屋に忍びこんだりしないわよねとか言われそうだ。


 次善の策として黒谷(くろや)さんがテイムしているスケルトンに覚えさせる事にした。

 これなら罠解除に失敗しても被害が出ない。

 スケルトンに罠解除なんてできるかと言えばできる。

 感情がない分、人間よりある意味優秀かもしれない。

 決まりきったルーチンは特に得意だ。

 緊張のあまり指先が震えるなんて事もない。

 黒谷(くろや)さんが秘伝書を読んでスケルトンに伝えた。


「お前のジョブは今日から盗賊な。みんなもこのスケルトンは盗賊と認識するように」


 分かったのかスケルトンはカタカタと歯を鳴らし、見物人のクラスメイトはうなづいた。

 怪盗からもらった盗賊の秘伝書を片手にスケルトンに手を置いて。


「カタログスペック100%」


 スケルトンは光り盗賊の秘伝が使えるようになった。

 試験も無しに実戦は無理だという事で、ギルドで貸し出している訓練用の宝箱を開けさせる。

 宝箱は真鍮の装飾が付いていて、いかにも訓練用だ。


「スケルクロウ、頑張って」


 黒谷(くろや)さんがスケルトンを応援する。

 スケルクロウなんて苦労しそうな名前だな、スケアクロウが案山子だからそこから名前を取ったのか。

 それとも九男なのか。

 まあいいや。


 スケルクロウは器用に骨の手を使い、宝箱の鍵穴に針金を入れて中を探る。

 じりじりと時間が過ぎる。

 音を立ててもスケルトンは動揺したりしないが、みんな固唾を飲んで見守った。

 カチッという音がして宝箱が開いた。

 凄いぞ。

 俺はスケルクロウの頭を撫でてやった。

 スケルクロウが嬉しそうな表情をしている様に思えた。


 次は魔法罠だ。

 宝箱に掛けられた魔法を解く為に聴診器型魔道具で宝箱を探る。

 スケルクロウに耳があるか疑問だが。

 足音に反応するのだから、聴力はあるのだろう。


 聴診器からピッピッという音が僅かに聞こえる。

 そしてピーッと鳴った。


 魔法の核を見つけたみたいだ。

 針型の魔道具で宝箱を突く。

 光が出て魔法罠が解除される。

 見事宝箱は開いた。

 良くやった。


 俺は再び撫でてやった。

 はにかむ幻想が見えた。

 疲れているのかな。


「みんな、城に侵入するよ」


 桜沢さんの声で俺達は城の通用門に行くべく、行動を開始した。

 スケルクロウが通用門の鍵解除に掛かり、俺達は手に汗握り経緯を見守る。

 おおっとスケルクロウは罠解除に失敗した。

 剣が門から突き出されたが骨の間に入って事なきを得た。


 奥義書には罠解除に絶対は無いって書いてあるもんな。

 確率が上がるとしか書いてないんだよ。

 プロでも失敗はするらしい。


 再びスケルクロウが挑戦する。

 しばらくして、軋んだ音をたてて通用門が開いた。

 俺達は通用門をくぐる。

 そこには驚いた顔の門番がいる。

 御花畑(おはなばたけ)の睡眠魔法が炸裂した。

 崩れ落ちた門番に猿轡をかませて俺達は先に進んだ。


 道順は大野原さんのネズミが調べていた。

 門の先には中庭があり城の居住区に通ずる扉にはまたもや罠がある。

 スケルクロウが解除に掛かる。

 魔法罠と機械式の複合の罠のようだ。

 魔道具と針金を器用に操り解除に成功した。

 踏み込んだ居住区は静まり返っている。

 中の案内は俺がした。

 ネズミは昼間に扉の前で発見され、危うく駆除されるところだったからだ。

 なんで知ってるのと聞かれたので、ダウジングを見せこれで誘導していると答えた。


 危ない。

 千里眼があるって知られたら、目を潰されるかも。

 覗きに悪用はしないが、気分的にね。

 軽蔑されると堪えるから。


 トラブルも無く領主の寝室の前に到着。

 やっぱり罠があったのでスケルクロウが解除に掛かる。

 その時突然警報が鳴り響く。

 おおっと警報ってところか。


 足音が石造りの通路に響く。

 さてと荒事か。

 こんな時の為に色々と準備したんだよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ