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第65話 増税貴族

 俺達は桜沢さん達と一緒に隣の街にやって来た。

 この街の領主は無能として有名なのだそうだ。

 その為、街を出て流民になるものも後をたたず、周辺の治安悪化の原因にもなっている。

 桜沢さん達はどうにかならないかと今住んでいる所の領主に泣きつかれ、俺達とこの街にいる訳だ。


「リーダー、どうする」


 桜沢さんがクラスメイトに話しかけられ返答に詰まる。


「まずは、情報収集だろうね」


 和銅(わどう)さんが代わりに答える。


「ええ、そうね。みんなお願い」


 桜沢さんがそう言うとクラスメイトは思い思いの方向に散っていった。


 俺達はどうするかな。

 透明になるハチマキをして忍びこむのも一手たけど、勘のいい人だと気づかれる危険がある。

 音とかが隠せないからどうしようもない。

 大野原さんのネズミとかの方がこういう時に役に立つ。

 ここは何か俺も偵察用に道具を作るべきだろう。


 目指すは千里眼だな。

 今回は一人きりの所で作業を行う。

 パーティの二人に言うと着替えを覗くなんて言われるに決まっている。

 もちろんそんな事はしない。

 二人に施術すると悪用するに決まっている。

 そんな訳で秘密裏に事を行う事にした。


 最初にある宗教の神殿で買ってきたお札を出す。

 なんでもこのお札は人間の目と同じでお札に祈れば祈った本人の目役割をしてくれるそうだ。

 一緒に買ってきた経典にそう書いてある。

 突っ込みどころ満載だが、カタログスペック100%の材料としては最適だ。

 お札に経典に書いてある祈りを捧げ。


「カタログスペック100%」


 お札は光り、お札の視界が見えるようになった。

 これで終わりじゃない。


 知識の泉を作り、お札を沈め、神話片手に。


「カタログスペック100%」


 お札が光り俺の顔に張り付いた。

 おい、一生このままじゃないだろうな。

 鏡をみるとお札は同化して消えた。

 これは『スプライン神話』にある『アミオンの目』を再現した。

 神話では狩人の神がどうして仕留められない疾風の獅子を捉える為に行ったと書いてある。

 片目を知識の泉に沈め、それを残った目に同化させて目を強化したとある。

 俺は両目やっちゃったが問題ないだろう。

 強化した目はどんな些細な動きも見逃さず、物を透視して千里の彼方もみる事ができるとある。

 試しに宿の外を見ると意識を向けると行きかう人が見える。


 さて情報収集開始だ。

 まずはお城の執務室から透視だ。

 執務室には人影はなく埃が積もったところから考えるに長い間人が出入りしてないみたい。

 視点を領主の私室に移動する。

 居た!

 領主らしき人物はへべれけに酒に酔っていた。

 たしかに無能そうに見える。


 廊下を辿り、人が居そうな所を探す。

 ワゴンを押す侍女の後をつける。

 侍女は応接室に入っていった。

 俺の視点も部屋に入る。


 そこには領主夫人と思われる淑女と脂ぎった役人が、なにやら悪巧みをしている映像が映し出された。

 侍女はお茶を淹れるとすぐに追い払われた。

 怪しいな。


 音が聞けないのが難点だ。

 その後、商人らしき人物が出入りして領主夫人に賄賂を渡していた。

 そうは言ってもこの国の法律では領主の賄賂は違法じゃないんだよな。

 これは難しい。

 領主を有能にするのが一番簡単そうだな。


 とりあえず今のところはこんなものだろう。

 後は帰って来たクラスメイトの報告を聞いて作戦を練るのが一番良い。


「みんな情報は集まった?」

「酷いものよ。税が高すぎてまともに暮らしていけないのだって」

「領主は前の奥さんが死んでから腑抜けになったみたい」


 前の奥さんが死んでから酒びたりって事か。


「後添えの領主夫人ってのが家臣である兄と組んでやりたい放題って噂だよ」


 あの映像の男女の事だろう。

 思い出した。

 あの男女は野神(のがみ)の支援者だったはずだ。

 これは絶対に断罪しないといけないな。

 やる気が出て来た。


「何か方策はある?」


 俺は手を上げて発言し始めた。


「みんなで押し入って領主を立ち直らせよう。領主の前まで行けば俺のスキルでイチコロだ」

「そうね、私の好みのやり方だわ。異論がなければそうしましょう。死人は出さないように出来る?」

「そこら辺も俺のスキルで」

「分かったわ。信用しましょう。今夜決行よ」


 俺達は今夜に備え準備に掛かった。


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