第64話 究極の金属
和銅さんに手伝ってくれと言われた。
怪盗騒ぎの時に世話になったし、手伝うとするか。
「よし、助手Aまずは石板を綺麗にしたまえ」
「誰が助手Aなんだ」
「君だ、君」
「えっ、俺」
へいへい、やらしてもらいますよ。
石板のこびり付いた泥を綺麗に落とすと文字が浮かび上がってくる。
転移した時にもらった異世界翻訳でも読めない文字だ。
「うむ、読めん。助手B、翻訳魔法だ」
「私そんな魔法使えないんだけど」
「助手C、便利道具だ」
「レシピに翻訳道具なんてないよ」
「助手A、反則スキルだ」
「和銅さん、できない事はないんだけど。準備がいる」
「私の事は教授と呼びたまえ。助手達よ、さっさと準備するぞ」
翻訳のために『知識の冠』を作る事にする。
材料は賢者の石と知識の泉から汲んだ水だ。
まずは賢者の石だ。
「小前田、前に買った偽物の賢者の石あったよな。あれ使っていいか」
「もの凄く値切って買った奴ね。鑑定では石灰石って出ているけどあれでいいの」
「それでいい」
俺はアイテム鞄から偽賢者の石と鑑定書をとりだした。
そして。
「カタログスペック100%」
石は光に包まれ、虹色の光沢のある石になった。
これで賢者の石はなんとかなった。
次は知識の泉だ。
知識の泉はエーテルを水に溶かしたと神話にある。
まずはエーテル抽出。
本によるとエーテルは宇宙に満ちているらしい。
それなら空気中にも存在するはずだ。
本を手に。
「カタログスペック100%」
空気がキラキラと光輝く。
それを『レーの鏡』で液体にして水に溶かす。
洗面器に入れたそれに、神話を片手に。
「カタログスペック100%」
知識の泉が出来た。
洗面器に賢者の石を沈め、神話を片手に。
「カタログスペック100%」
賢者の石は冠に変化した。
『知識の冠』の完成だ。
さっそく和銅さんにつけてもらう
「ふむふむ。全部分かるぞスリーサイズから好きな人の名前、趣味嗜好が手に取るようだ」
「変な情報みてないわよね」
「私は好きな人の情報はちょっと。運命の人が分かったりしないかな。それはちょっと知りたい」
「未来は確定してはおらん。二人の好きな人は秘密にしておく。約束する」
なんとなく和銅さんの視線が気になる。
三人の間をめまぐるしく移動した。
「やっぱり危険だから壊すよ」
「待ちたまえ、弱点なども分かる。これはモンスター退治に有益なのではなかろうか」
「じゃあ、悪用しないと一筆書いてもらおう」
「仕方ない」
誓約書を書いてもらって勿論。
「カタログスペック100%」
和銅さんは誓いを破れなくなった。
そして、和銅さんは石板を読む。
「ふむ、究極の金属を作る方法のようだ」
材料はオリハルコンとミスリルを液体にして混ぜ合わせ、更に原初の土を入れ固めた物だそうだ。
ここまできたら最後までやらないとな。
オリハルコンとミスリルを溶かすための溶解液を作る。
スライムの体液を物質進化させるレシピだ。
これは小前田が持っていた胡散臭いレシピに作り方が載っていた。
レシピの通りに作るとちょっとした酸性の液体になるだけだが構わない。
カタログスペック100%で何でも溶かす溶解液にする。
器が溶けてしまうため、調合は空中で行う。
御花畑が魔法を使い溶解液を空中に浮かす。
溶解液に指で触れ。
「カタログスペック100%。痛たたたぁ」
溶解液は光り、俺の指先が少し溶ける。
慌ててポーションを飲んだ。
ふう、骨が少し見えたぞ。
溶解液が散らばらないうちにオリハルコンとミスリルの五センチぐらいの塊を中に入れる。
塊は溶け、そこに原初の土を更に入れる。
そして『レーの鏡』で固体にした。
黒くて光を全く反射しない金属が出来上がった。
出来上がった金属はエクストニウムという名前らしい。
和銅さんが触ると金属は剣の形になる。
そして、槍、盾、メイスと次々に形を変える。
思考を読み取って変化する武器か。
あんまり強くない気がする。
「これのどこが究極なんだ」
「良くぞ聞いてくれた。この武器をエネルギーにぶつけると吸収してしまう。魔法は勿論、ドラゴンブレスでさえ吸収できる」
なるほど防御特化な武器な訳か。
俺達には要らないな。
オリハルコンとミスリルがもったいない。




