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第53話 オーラ回復

 俺達は一旦街に戻りお題の解決方法を話し合う。


「オーラって気って事だよな。どうやったら増えるんだ」

「そうね、拳法家の訓練なんかはどう」


 御花畑(おはなばたけ)が言った。


「魔力を使うってのはあるけど、気の要素はないな」

「この世界は魔力があるから、そういうふうになるのね」


「体操とかでなんとかならないかな」


 小前田(おまえだ)も話に加わる。


「オーラアップ体操とかはないな」

「街に出たら何かヒントが見つかるかも」


 小前田(おまえだ)の勧めにしたがい街に繰り出した。


「お腹減った」


 小前田(おまえだ)がそう言った。


「露店で食おう。おっちゃん、その芋を焼いた奴を3本」

「へいよ」


 露店で買い食いしながら歩くが、一向にヒントは降りてこない。


 なんか、ちんどん屋みたいな音楽が聞こえて来た。

 群衆が集まっている。


「ちょっと通して」


 人混みをかき分け、先頭に出る。

 おー、大道芸だ。

 ボーリングのピンみたいなのをお手玉してる。

 隣では火を食って、松明に炎を吹いている。


 そうだ、芸能人だ。

 オーラがあるとか言っていたはずだ。


 書店を梯子して芸能人になる為の本を探す。

 その中に『これでオーラアップ間違いなし。明日から出来る芸能人の心得』を見つけた。


 俺達は約束の日に森で聖獣を待った。

 いつもは早く来ている野神(のがみ)達の姿がない。

 あいつら解決策が見つからなかったのかな。

 聖獣が現れるとほぼ同時に野神(のがみ)達がやって来た。


「人の子よ、道を示すがいい」

「俺のはこれだ」


 野神(のがみ)は巻物を出して来た。

 聖獣は巻物を口で受け取ると器用に前足で開いた。


「仙人になる為の奥義書か。すまぬ、これに書いてある事は既に実践しておる」


 えーと、仙人になるには食物を断ちましょうだって。

 聖獣はご飯たべないのか。

 自然と一体になるだって。

 既に一体なんだろう。


 今回は勝てそうだ。


「俺達はこれだ。では失礼して、カタログスペック100%」


 聖獣に触りスキルを発動させる手には『芸能人の心得』。


「今から言う事を実践してくれ。常に見られている事を意識。売りとなる特技と個性。絶対有名になると信じる心とプロ意識」

「なんだそんな事か簡単だな。ぬっ、オーラが徐々に回復しておる。信じがたい」


 聖獣の燐光が幾分強くなった気がした。


「この勝負、ハグレチームの勝ちとします」

「くそっ、負けたか。だが、決闘では譲らない。首を洗っておくんだな」

「そこの二人よ、我についてまいれ」


 聖獣が鼻で俺と野神(のがみ)を指す。

 俺達二人は聖獣について森の奥に入っていった。


 森の奥には石でできた台座があり剣が一本刺さっている。

 こりゃ、聖剣という奴じゃないかな。


「二人とも抜けるかやってみるのだ」

「じゃ俺から」


 俺は聖剣に手を掛けて引き抜こうとした。

 うわ、動いたよ。


 俺は野神(のがみ)に突き飛ばされた。


「いや俺からだ。抜けるぞ。やっぱり俺が勇者って事だな」


 くそっ、野神(のがみ)の奴、決闘では覚えていろよ。

 必ず息の根を止めてやる。


 抜かれた聖剣は燐光を放つ。

 野神(のがみ)は何回か素振りした後、剣の刃に布を巻いた。


「決めたぞ俺は王になる。転職して好き放題してやる」


 野神(のがみ)は王を目指すのか。

 くそっ、聖剣を取られてしまった。


 不壊の剣とどっちが強いだろうな。


「我の目が曇っておったか。最初の人物が剣に認められそうだと思っておったが」


 盛んに不思議がる聖獣を後にして俺は森を後にした。


 こうなれば残すは待ちに待った転職の儀。

 そして、その後に決闘だ。

 何日か旅をして転職の神殿に到着した俺は儀式に挑んだ。


「神よ、この者に職を授けたまえ」

「何も変わりないけど」

「頭の中に問い掛けてくる声がありませんでしたか」

「ないよ」

「では失敗ですね」


 どうもそんな事になる気はしてたんだ。

 聖剣が抜けそうだったから、もしかしてという気持ちはあったけど。

 なれないものは仕方ない。

 あきらめよう。


 さて、決闘だ。

 そこで野神(のがみ)を必ずぶっ殺す。

 そして、前回の時に虐めてた奴を皆殺しにした後は、そうだな。


 そういえばクラスメイトは男子と女子に別れたのだったな。

 女子の方と連絡を取ってみるか。


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