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第46話 魔法のスプーン

 俺達は風の精霊が出没するという大草原でダウジングしながら歩いていた。

 馬車は近くの街に預けてある。

 草原は草の邪魔もさる事ながら、でこぼこや穴も多数あるので馬車の移動には向かない。

 何日か歩いていたら、大草原にぽつんと立っている男を発見。


 なんで何もない所にいるのだろうと不思議に思い近寄ると。

 男のそばには背負子があり、毛皮を嫌というほど積んでいた。

 馬に乗っていないが、遊牧民なのだろうか。


「あー、なんでこんな所に立っているのかな」

「良かったこのまま餓死するんじゃないのかと思っていたよ」

「動けないのか」

「ああ、間抜けな事にモンスター用の罠に引っかかって」

「どうやったら、はずせるんだ」

「罠の裏の青い所を押せば良い」


 男が寝転んだので足の裏の方にある青いボタンを押してやる。

 パチリと音がして男の両足が自由になった。


「ありがとう、お礼に毛皮はどうかな。俺は行商人なんだ品物の代金を毛皮で受け取り街に帰るところだよ」

「いや良いよ。それより足は大丈夫なのか」

「痛くてたまらない」


 俺は男にポーションを飲ませてあげた。

 その時、遠くに狼モンスターの群れが見えた。


「おっ、モンスターだ」

「ひえ、忌避剤の煙玉はどこだったかな。しまった、全部売ったんだった」

「おっさんはそこで見ていてよ。ちゃちゃっと片付けるから。御花畑(おはなばたけ)、お願い」

「いくわよ、ファイヤーランス、ファイヤーランス……ファイヤーランス」


 御花畑(おはなばたけ)の魔法の連射でモンスターは瞬く間に魔石になった。


 独特な美味そうな匂いが漂ってくる。

 肉の焼いた匂いの美味そうな部分だけが凝縮されたようだ。


「この匂いはモンスター寄せの香」

御花畑(おはなばたけ)、どうやら、俺達は野神(のがみ)達の罠に嵌ったようだ」

「大丈夫よ。魔力はまだあるわ」

「マナポーションも沢山あるよ」


「やったるぜ、ファイヤーランス、ファイヤーランス……ファイヤーランス」


 モンスターの群れに魔法が炸裂する。


「くそっ、限がないな」


『デアルの書』を片手にスキルを掛ける。


「カタログスペック100%。隣のモンスターは裏切ってるぞ」


 モンスターの同士討ちが始まる。

 御花畑(おはなばたけ)は魔法で、小前田(おまえだ)は爆弾で、モンスターを討伐する。

 ほどなくしてモンスターの群れは片付いた。


「ツキがないわね」

「そうなんだ。昨日、遊牧民の所を出てからこうなんだ」

「何か変わった事が無かった?」


 俺は男に問い掛けた。


「この商いが終わったら結婚するんだと言ったぐらいかな」

「「「それだ」」」

「みなして、なんだい」

「あのね、おじさん。私達の所ではそれは死亡フラグといって良くない事が起きるの」

「疫病神にとりつかれたわね」

「確かに今朝から馬の糞は踏むし、財布は落とすし、罠には掛かるし。どうしたら、良いのか」


「ようはツキを変えれば良いんだろ」

「ラッキーアイテムなんてどうかな。占いの本があるの」

小前田(おまえだ)、その本を貸して。おっさん、俺がスキルでなんとかしてやる」

「貸すだけだから。絶対返して。この本気に入っているのよ」

「サンキュ」


 ええと、誕生月でその週のラッキーアイテムが変わるのか。

 男から誕生月を聞きだしラッキーアイテムをつきとめた。

 小さいスプーンがそれのようだ。


小前田(おまえだ)、調合用の小さいスプーンを一つもらってもいいか」

「あとで新しいの買って。それなら良いよ」

「じゃあ、いくぞ。カタログスペック100%」


 占いの本を片手にスプーンにスキルを掛けた。

 スプーンは光に包まれた。


「今週はこのスプーンを肌身離さず身につけるんだな」


 男はスプーンを受け取り、何やら自分が立っていた所を掘り始めた。


「あった、金貨だ。何か足の裏に当たっている気がしたんだよ」

「効果てき面だな。言っておくが、今週しか効果がないからな」


「街についたらお祓いしてもらうよ。あなたには何かお礼をしないと」

「それなら、遊牧民のテントの場所を教えてよ。それから名も無き勇者を宣伝しておいてくれ」


 俺は男から遊牧民の目印を教えてもらい、テントまでの行き方を教示された。

 なぜテントの位置を聞いたかというと、風精霊は常に移動しているからだ。

 ダウジングで大まかな位置はつかめたけど、これから先は行き当たりばったりという訳にはいかないだろう。


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