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第35話 モンスターハウス突破

 2階層は石の通路に石の壁、とにかく石で全てが出来ていた。

 飾りと言えば通路の所々にある光を放つコケぐらいだ。

 前に来た時は2階層で生産職と一緒に待機させられたから、これ以降の事は知らない。


 歩きやすくて良いんだが、なんというか風情がない。

 ダンジョンなんだから地下に草原とか森があってもよさそうだ。

 これからそういうのが出てくるのだろうか期待して待つとしよう。


 通路上にはモンスターは現れず、俺達は拍子抜けしていた。


「ここらで、少し休もう」

「まだ疲れてないけど」

「私も疲れてないよ。スタミナポーションならあるよ」

「いや良い。装備を渡そうと思って」


「そういうのは入り口で渡しなさいよ」

「結構重いけど、どうする」

「何があるの」

「採取用のトンカチ、カンテラ、ポーションセット、お守りの首飾りその他色々だ」

「必要になったら渡しなさい」

「私もパス」


「そういうと思ったよ」

「それじゃ、首飾りだけ貰うわ」

「私も可愛いの希望」


 首飾りを二人に渡し、再び歩き始めた。

 そして、角を曲がったら目前に立派な扉が現れた。


「たぶんボス部屋だよな」

「位置が変だよ。普通ザコ敵を何連戦かして到達するんじゃないの」

小前田(おまえだ)にしては鋭いな」

「こんな時には透視眼鏡。中の様子が見られるよ」

「透視眼鏡って何かいやらしいわね。私が使うわ」

「そうしてくれ」


「ではさっそく。何よ骨が見えるじゃない。心配して損したわ」

「部屋の中の様子はどうだ」

「モンスターがぎっしり詰まっているわ。モンスターハウスって奴ね。どうするの」

「大軍対策は虚無の件の後に考えてある」


 兵法書の一つに『デアルの書』というのがある。

 これは、戦国時代のある武将が書いた物で異世界では根強いファンがいる。

 しかし、現代では時代遅れとされている物だ。

 この『デアルの書』を片手にスキルを掛ける。


「カタログスペック100%」


 俺の身体が光に包まれた。


 ここで二人に準備してきたハチマキを渡した。

 これはもてない神が呪いをかけて作ったというハチマキをスキルで再現した物。

 効果は装備した者が見えなくなるというものだ。

 神話ではハチマキをした神が女神の所に夜這いに行き、血の臭いからばれるというありがちな物語。


 材料は呪詛の言葉と血と細い布だ。

 血はドラゴンの血で代用しておいた。

 キャプストンのハチマキだ。


 それを装備して、モンスターハウスのドアを解き放ち叫ぶ。


「隣のモンスターは裏切っているぞ!」


 ゴブリンがスケルトンを棍棒で攻撃。

 スケルトンは訳も分からず黒い煙を出して魔石になった。

 そのゴブリンをオーガが叩き潰す。

 そして、いたる所で乱戦が始まる。

 俺は向かってきたオーガに『絵本やさしいモンスター』を持ってカタログスペック100%。

 そして、頭を叩いた。

 本当にモンスターが裏切り混乱に拍車をかける。

 モンスターはどんどんと数を減らし数えるほどになった。


「これぞ疑心暗鬼の計。御花畑(おはなばたけ)、とどめを頼む」

「がってんしょうち。ファイヤートルネード」


 炎の竜巻に巻き込まれモンスターは全ていなくなった。

 一見無敵に見える戦法だが、声の届く範囲しか効果がない。

 声が聞こえない場合の対策も考えないと。


 ここはどうやらボス部屋じゃなかったようだ。

 ドアがあり開けると、通路が続いてた。


 その通路で気になる物を見つけた。

 ボールペンだ。

 これは地球にしかないはずだ。

 もしかして野神(のがみ)達に先を越されたか。


 俺はモンスターハウスを連戦して、野神(のがみ)達の痕跡を探した。

 おかしい。

 モンスターハウスの中はどこも満杯だ。

 野神(のがみ)達が倒していれば、補充されてないはずだ。

 倒してから補充されたのかな。


 また痕跡を見つけた。

 1階層のマップだ。

 書いた跡から見るに、シャーペンで書いた感じだ。

 インクではないからすぐに分かる。

 冒険者からマップを書き写したのか。


 どうやら野神(のがみ)達は最短距離を進んでいるらしい。


 しかし、モンスターハウスしかない階層なんて作った奴は何を考えているんだ。

 普通なら引き返すぞ。

 糞ゲーとしか言い様がない。

 俺達は楽勝だから、進むけどな。


 でもおかしいな。

 前回の時はみんな何も言わなかった。

 モンスターハウスだらけなら、大騒ぎのはずなのに。

 展開が変わっていると思わないといけないようだ。


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