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第16話 野神《のがみ》との対決

 次はいよいよ本命の野神(のがみ)だ。

 野神(のがみ)は完全武装で宿の裏手にやって来た。


 過去の記憶が蘇る。


「スキル訓練の時間だ。ギルドの修練場に行くぞ」


 俺はギルドの修練場で野神(のがみ)と対峙した。


「俺は何をすればいいんだ?」

「好きに逃げて良いぞ。ぼやぼやしてると死ぬぞ」


 野神(のがみ)が剣を抜いて迫って来たので、俺は必死に逃げた。


「スラッシュ」


 野神(のがみ)がスキルを行使して、俺は背中を斬られた。


「殺すつもりか」

「そんなわけないだろ。生き物を斬らないとスキルの経験値が堪らないんだ。協力してくれるよな」

「嫌だ」


「ほら、ヒール。回復してやったぞ。優しいだろう」


 追いかけ回され、スラッシュで斬られるたびに、ヒールを掛けられる。

 くそう。

 俺は金属光沢のスライムじゃねぇ。


「レベルが上がったぞ。新しいスキルを覚えた。試させてもらう」

「ひっ」


 冗談じゃない。

 新しいスキルという事はさっきのより強力なんだろう。

 そんなの食らったら死んでしまう。


 俺は逃げずに、タックルする事にした。

 倒して締め技で野神(のがみ)を殺そう。

 野神(のがみ)(まばた)きする瞬間に俺は意を決して突っ込んだ。


「フィジカルブースト」


 しっかり受け止められた。

 プロレス技のパワーボムで地面に叩きつけられる。


 星がいくつも飛んで、一瞬視界が暗くなった。

 くそう、頭がクラクラする。


「スラッシュ」


 倒れている俺に容赦なく剣が食い込む。

 くそっ、傷が灼熱のようだ。


「ハイヒール。回復魔法は中々使えるな」


 逃げなきゃ。

 地力が違い過ぎる。

 でもどこに逃げたら。


 俺は我に返った。

 嫌な事を思い出したな。


 完全武装という事は、ばれてるのか、それとも用心深いのか。


波久礼(はぐれ)居るんだろ。正々堂々勝負しようじゃないか」


 やっぱり、ばれたか。


「出てこないなら。御花畑(おはなばたけ)を殺す」

御花畑(おはなばたけ)、逃げろ」

「テレポート」


 御花畑(おはなばたけ)が消える。


「逃げても無駄だ。クラスメイトが一人犠牲になるぞ」

御花畑(おはなばたけ)は逃げたぞ」


「お前、桜沢さんと仲が良かったよな。彼女がどうなっても構わないのか」


 寄居(よりい)の仕業か。

 いや、はったりかもしれない。


 野神(のがみ)はなんて卑劣な奴なんだ。

 しょうがない、いざ勝負。


 石を投げ気をそらす作戦を実行。

 その隙にカタログスペック100%を掛けようと手を伸ばすがつかまれた。

 俺はニヤリと笑って言った。


「触ったな。カタロ……」


 左手には『狂勇者物語』を持っている。

 これで野神(のがみ)を狂わそうとしたのだ。

 だが、本を持っている腕を切り落とされた。


 くそう、実力が前より上がっている。

 剣を抜いて片手で打ち合い、野神(のがみ)の腹に俺の突きが決まった。

 くっ、剣が抜けない。


 でも、後少しだ。

 抜けないなら、かき回してやる。

 剣をぐりぐり動かす。

 野神(のがみ)が絶叫する。


 そして、野神(のがみ)が煙幕玉を地面に叩きつけた。

 くそっ。


 煙幕の煙で野神(のがみ)に逃げられた。

 あと少しだったのに。

 エリクサーを飲むと腕が生えて来た。

 だが、少し痩せた気がする。

 エリクサーが肉の代わりをしてくれるわけじゃないからだ。

 何回も切り落とされたら危ないかもな。

 だが、野上には


 それより、桜沢さんを助けないと。

 三人で手分けして桜沢さんを探す。

 どこだ、どこにいるんだ。

 こういう時こそカタログスペック100%だ。


 探し物といえば。

 靴を片方脱いで持ち、『よく当たる占い』をもう一方の片手に持った。


「カタログスペック100%」


 靴にスキルが掛かる。

 桜沢さんの居所を教えてと念じて靴を投げた。

 靴先が外を指す。

 宿の外に居るのか。


 外に出てもう一回、靴を投げる。

 靴先は物置を指していた。

 物置には一人見張りがついている。

 こいつは祖塩(そしお)

 職業は拳闘士だ。

 前回の時はAランクだった。

 野神(のがみ)の側近という訳ではないが、取り巻きのモブだ。

 俺には死角から近づく技があるから問題はない


「カタログスペック100%」


 ギルド規約を持ってスキルを掛けた。


「お前は波久礼(はぐれ)。何をした?」

「何って良い事だ」


「ここは通さないぞ」

「はい、はい、そういうのはいいから」


「ヘビーインパクト。何故スキルが発動しないんだ」

「死んでろ」


 剣で喉を掻っ切った。

 祖塩(そしお)は死んだ。

 祖塩(そしお)の遺体を物置の裏に隠す。


 物置を開けると縛られた桜沢さんがコロンと出てきた。


「むー、むー」


 俺は猿轡を外してやった。


野神(のがみ)の奴どこ行った。ぼっこぼこにしてやる」

「桜沢お前、武闘派だったんだな」

「早く縄解いてよ」


 急いで縄を解く。


「今回の事を女子のみんなに話して野神(のがみ)とは別行動とったらどう」

「まずは一発殴らないと」

「駄目だ。あいつが何を考えているか教えてやろう。女生徒を性奴隷にして、邪魔な奴は殺すつもりだ」

「嘘っ、そんな酷い事を計画してたのね」

「被害者第1号は小前田(おまえだ)だ。俺が寸前のところを救った」

「じゃあ、樋口(ひぐち)君を殺したのも」

「そうだ。女子にも生産職はいるだろう。桜沢みたいに捕まってからでは遅い」

「みんなの安全が掛かっているのね。分かったわ。野神(のがみ)達、男子生徒とは別行動をとる」


 分かってくれたようだ。

 ひとまずこれで、女生徒奴隷化計画は阻止できたな。


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