第11話 更なるパワーアップ
次の街への移動の準備の為に買い出しに行ったら、ある物が目に入った。
砥げば研ぐほど切れ味が増しますと書いてある宣伝している砥石。
おお、剣は貰ったけど使ってなかったな。
この砥石にカタログスペック100%を使えば、今ある剣が聖剣並みの切れ味になるはずだ。
「砥石いくら?」
「銀貨1枚と銅貨30枚だ」
「はいよ。お釣りは要らないよ」
砥石を手に宣伝ポスターに手を置いて。
「カタログスペック100%。ふふっ。勝ったな」
だが、奴らがスキルを使った時の攻撃速度は早い。
樋口は成長してないから、倒せたような物だ。
やつらはまだレベルが低い。
でも側近が殺されて本気になったに違いない。
身体強化の何かを探そう。
そうなれば対抗出来るはずだ。
何かないかな。
薬屋に差し掛かった。
精力全開とポスターがある。
要らないな。
どんな痒みも止めます、要らないな。
いや、転売すれば儲かるか。
過ぎた性能はトラブルの素だな。
エリクサーで懲りたから、あんな目には遭いたくない。
何か良い物はないかな。
薬屋は駄目だな。
スピードアップする物が欲しいのだが。
防具屋に、初心者が使うような皮鎧がある。
身軽に目にも止まらぬ速さで動け、どのような攻撃も弾きます。
良いんじゃないか。
「皮鎧いくら?」
「へい、金貨1枚でさあ」
お買い上げしましたよ。
もちろん、カタログスペック100%もした。
これで大抵の敵は何とかなるだろう。
俺は宿に帰ると剣を砥ぎ始めた。
20分ほどやって、宿の裏庭に出て庭石に斬りかかった。
庭石がバターのように斬れる。
皮鎧を着て剣を振るう。
樹から落ちてくるこの葉を16等分に出来た。
「すごーい」
そばで見ていた小前田が拍手する。
「まだまだだ」
まだ足りない。
野神が成長しきった状態で、繰り出すスキルには、追い付いていない。
反射神経は良い方だが、反射神経を強化する何かも必要だな。
何を買えば良いのか思いつかないが。
旅先できっと出会えるだろう。
「私達パーティはバランスが取れてるね。波久礼君が前衛で、未依子ちゃんが後衛。私が遊撃と回復役かな」
「小前田、樹を揺らしてくれ」
小前田が樹を揺らすと、この葉や虫が落ちてくる。
俺は虫は潰さないように剣圧で遠くに飛ばし、この葉は全て切り裂いた。
達人の技に、強化が加わっていい具合だ。
我ながらびっくり。
「いつの間にそんなに強くなったの」
御花畑が来て言った。
「さっきだ。装備を手に入れた」
「じゃあ対戦しましょう」
「いいぜ、やろう。ルールは?」
「私が小さい魔法を放つから、全て防いでみて」
「そのルールで良いよ」
御花畑と距離を取る。
「始め」
小前田の合図で始まった。
「マジックミサイル×100」
百もの魔力の塊が飛んで来る。
俺は剣を抜き踊るように動いて、俺に当たる魔力だけを切り裂いた。
「どんなもんよ」
「何で魔力が見えるのよ」
「達人だから」
「まだまだよ、ホーミングブリット×100」
弾丸が追尾してくる。
俺は剣を閃かせ、全て叩き落とした。
「どう?」
「きーっ、悔しい」
「勝負あり。勝者、波久礼君」
「まだ負けてないわ」
「未依子ちゃん、悔しいと言ったら負けよ」
「くぁqwせdrftgyふじこ」
「未依子ちゃんが壊れた」
「仕方ない奴だな。好きな物を奢ってやるよ」
「なら許す」
3人で喫茶店に行く。
クラスメイトの女子がお茶をしてた。
俺が喫茶店に入ると、喋るのを辞めて、無言で席を立つ。
どうやら俺は嫌われたようだ。
決闘で殺したからだろう。
俺達3人は席に着いた。
「気にする事はないわ。私はあなたの味方よ」
と御花畑。
「私も。えっと、みんなの誤解もそのうち解けると思うな」
小前田もそう言って慰めてくれた。
前回の魔王討伐の地獄に比べたらハブられているぐらいなんだ。
あれは必要な事だったんだ。
明日は出発だ。
野神達が行く次の街は分かっている。
飯を食ったら早寝しよう。
明日から、かなり長く歩くはずだ。




