護衛のフェンロー
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「お嬢様——!」
その声にはっとする。あの声はわたしの護衛騎士のフェンローの声だ。
「フェンロー!」
叫び返すと、彼がビックリしたように震えたが、気にしない。今は、淑女の仮面をかぶるより、助かる
ことが第一優先だ。
「お嬢様っ!」
すぐにフェンローは上着を脱ぐと、ばしゃっ!と湖に飛び込み、わたしたちの方へ泳いでくる。他の護衛を五人ほど連れてきたらしく、一様に上着を脱ぎ、ばしゃばしゃっと入ってくる。
「お嬢様、失礼致しますね」
危なげなくわたしたちの元へたどり着いたフェンローが他の護衛と2人組でわたしを運んでくれる。彼の方をみると、護衛に肩を貸してもらいながら、岸にたどり着いている。
フェンローたちに押し上げもらって、彼に引っ張り上げてもらう。岸に上がった途端、一気に脱力した。
「お嬢様、クロッキート公爵令息様、お怪我はありませんか」
「ないわ。ありますか!?」
「いや、全くないよ」
優しく微笑んでくれて、ほっとする。
「フェンローたち、ありがとう。よく分かったわね」
「ええ、あまりにも遅かったものですから、心配しておりましたので・・・」
「そう、ありがとう」
お礼を言うと、律儀に礼をして、わたしに自身の上着をかけてくれる。彼の方も、同じように護衛の上
着を貸してもらっていた。
「さ、お二方とも、低体温症になってはいけませんから、お屋敷に帰りましょう。ボートはこちらで引き上げておきます」
「すまない。ありがとう」
「いえ、お気になさらないでください」
笑顔でフェンローが補足する。
「どうせ、お嬢様が勝手にお転びになったのでしょうから」
「なっ、フェンロー!?」
「いつものことでございます」
「ふはっ!」
また彼が吹き出した。わたしは彼のことを睨む。
「もうっ!またお笑いになって!」
「ふはははっ、これは笑うしかないだろう!?」
「ええ、その通りでございます」
「フェンロー!?」
フェンローったら・・・!もう!彼も彼よ!!
わたしは二人のことを睨みながら、フェンローは余裕の笑顔で「お嬢様、あまり睨みすぎると、嫌われてしまいますよ」と憎まれ口をたたきながら、彼は爆笑して涙を浮かべながら、屋敷に帰ったのだった。
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