ボートとわたしとツボと
読んでくださり、ありがとうございます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
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「ありがとう存じます」
お礼を言って、手をのせて、———引き寄せられた。
「きゃあっ」
「あ、すみません。怖がらせてしまいましたか?」
目を開けると、しっかりとボートに乗っている。抱き上げて、移してくれたのだろう。
「いえ!少し怖かったですけど、楽しかったです。重かったでしょう?すみません」
「いえ、全然。むしろ、軽いですね」
「ふふっ」
笑って、流すと、本当なのに!と抗議された。
「うわぁ!すごい、結構揺れるんですね!」
嬉しくて、淑女らしくない声を上げてしまう。すると、彼が急にオールをとった。
「わあ、こぐんですよね!?」
「そうですよ。やってみますか?」
すいっ、すいっ、と上手くオールを使って、舟を少し進めていた彼がにやっと笑って立とうとする。
「えっ!?」
「やってみたら、意外に行けますよ」
「えっ、えっ?」
ビックリしている間に、たたされて、席を交代していた。恐る恐る、オールを掴む。新品なのか、すべすべとしている。
「ぐって力を入れて、こういう風に」
と彼が説明しながら、こぐ振りをしてみせる。わたしは頷いて、ぐうっと変な声を出しながら、こいでみようとした。
「えっ!?」
全く進まなくて、愕然としていたら、彼が大声を上げて笑い始めた。
「あはははははっ!」
「ちょ、ちょっと!笑いすぎ!な、何これ、全然進まない・・・!」
ぐうううっ!と力を再度入れ直してみても、全く動かなかった。
「ふっあははははっ!」
まだ笑っている彼を少し睨んで、少しため息をついた。
「貴方ってすごいのね・・・」
感心したように呟いたら、ごほっ!と笑いすぎてむせる声が聞こえる。
「もう!そのままむせておけばいいのよ!」
ぷいっとそっぽを向くと、ようやく収まったのか、ごめん、と詫びてきた。
「ごめんごめん。君があまりにも可愛かったから」
「お世辞で誤摩化さないで!」
「ふはっ、お世辞じゃないけど、ごめん!よし、代わろうか」
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まだ、続きます!
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