わたしと彼
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「初めまして、スウェルブ公爵令嬢。私は、クロッキート公爵家の長男、ロバートと申します」
美しい金色の髪の毛。綺麗な青色の瞳。綺麗な赤い果実のような唇。全てが整っており、そこだけがまるで光り輝く場所のようだ。
そう思いながら、わたし、クラリッサ・スウェルブも口を開いた。にっこりと笑顔を心がけながら、話しかける。
「ご丁寧にありがとう存じます。わたくしは、スウェルブ公爵家が長女、クラリッサと申します。これから、婚約者同士、仲良くしてくださると嬉しいですわ」
にこ、と微笑みを浮かべて挨拶を終えたわたしたちは一気に暇になってしまった。今日より、婚約者となった二人だが、実は会ったのは初めてなのだ。
その状況で、二人とも両親に「あとは若い二人で〜」をやられたのだから、たまったものではない。微妙にお互い視線をずらしながら、たまにちらとお互いに伺う。
「あ、あの。暇ですし、そこの公園の湖を見に参りませんか?わたくし、一度、あそこのボートに乗ってみたいと思ってましたの」
何も思いつかず、結局近くの公園まで移動することを提案する。そこには、綺麗な湖があり、ボートに乗れる、というちょうど良い体験ができるのだ。いわゆる、『デートスポット』である。
「いいですね。では、参りましょうか」
彼も即座に頷いてくれ、手を差し出してくれる。剣の練習でもしていたのだろうか、少し傷がついている。わたしも、白い手袋をした手をのせると、そのままエスコートしてくれた。
季節は奇しくも、秋。綺麗な紅葉が見所だ。二人でゆっくりと歩きながら、公園を散策する。
「あ、どんぐりだわ」
「お好きなのですか?」
「う〜ん、どちらかと言うと、苦手です。中から虫が出てくるでしょ?」
幼い頃、どんぐりの中から白い虫が出てきたことがトラウマだと話すと、彼もああ、と納得したように頷いた。
「確かにあれは気持ちのいいものではありませんよね」
「はい。最初お庭で見たときびっくりして、わたし、泣き叫んでしまったんです。すごく気持ち悪くなって。結局、お父様の命令でどんぐりの木は抜かれてしまいました。まだ小さかったので、別の場所に移したみたいです」
ふふっと笑いながら、思い出を語ると、彼はくすっと少し笑った。
「どちらも、災難でしたね」
「ふふっ、そうですね。申し訳ないですけれど、見たくはないので・・・。人間の勝手な理由ですけれどね・・・」
思わず、しんみりとしてしまう。わたしだって、悪いことをしてしまった、という自覚はあるのだ。
沈黙を振り払うように、彼に尋ねる。
「クロッキート公爵令息は、何かお嫌いなものはおありですか?」
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