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デート4回目 彼女と僕

メールでどこか行きたい場所はありますか?と聞いても特にないとの事で

僕は車もないことなので、電車を乗り継いで行ける

水族館にいきましょうか、と送ったところ

思いの外、高感触で嬉しかった


僕も、水族館好きだから

一人で水族館にいくぐらい好きで、

仲睦まじいカップルなんてみると、ちょっと寂しくなるけど

まるでひとり、ぷかりと水の中を漂ってる気分になる


なので、一番のお気に入りは、大きな水槽の前のベンチ

ゆっくりと羽ばたくように泳ぐマンタ

素早い動きで群れを率いていくアジ


それをのんびり眺めてるのが好き


彼女珈琲好きかなぁ

ポットに詰めてもって行こうかな、そういえば、前なにかのんでたなぁ


そんなことを考えて眠りについた


ぴぴぴっぴぴぴっ


「ん・・・朝?」

カーテンからさす光が、眩しい

天気は、予報通り晴れっぽい


「まこちゃーん、おきなさいよーデートでしょー」

母親が階下で叫んでる

もう、みんなしてほんと楽しみすぎたよ


階段を下りていくと、あれ?一人多い


「おはようございます」

リビングを通り抜けようとして、はっとした

「は、花織さんー?」

びっくりして、僕がよんでも、彼女はくすりと笑っているだけ


「うふふふ、びっくりしたでしょー」

そう言って、後ろから頭を撫でるのは母親


「か・・・あさん?え?え?」


「うふふ、びっくりしたでしょ

 実は知り合いなのよー」


じゃーんと携帯電話を見せてくる母親のメールアドレスは花織さんのもの

電話番号も、住所も知ってるなんて

僕のほうが負けてる


「佐伯、という名字には、聞き覚えがあったが

 まさか、親子だとは」

そう言って、苦笑して、母親がいれた珈琲を飲んでいる


「朝、渡したいものがあるからってよってもらったの

 はい、かおちゃん、うちの子渡しておくわね~

 大事にしてよー」

なんて、とんっと背中を押される


「え?あ?」

うろたえる僕を余所に

母親と花織さんは、楽しそうで


「じゃぁ、今日一日遠慮なくかりるとするよ

 まずは、朝食と着替えだな」

ちらり、とパジャマ姿の僕を見て、花織さんが笑う


キッチンで、じゅうじゅうとソーセージの焼ける音と匂い


「あ、はい、着替えてきます」


朝から、幸先いいのか、幸先悪いようなデートが始まった


母親が詰めてくれた珈琲を、花織さんは喜んでくれたし

水族館が好きだという話をしてくれてたおかげで

道中の会話は、楽しかった


年間パスポートをもってる僕は、花織さんのを買おうと券売機に行こうとしたら

手をぱしりと取られた


「え?」

「券はいらない」

そういって、鞄から年間パスポートのカードを取り出した


「は、花織さんももってたんですか」

「好き、だからな」

そう言って、繋いだままの手をとって、花織さんは

入場ゲートに進んでいった


二人でみる水族館は、別の意味で楽しかった

繋がれた手、同じものをみる楽しさ

そして、お互いの好きなもの

それを共感できる


家に帰った僕を満面の笑みで出迎えた母親

そして、それに負けないぐらい満面の笑みの僕

鹿島さんの電話も楽しくて

ほんと、今日は良い日だった

ずんずんと先にすすんでます、半分がきましたね、ではまた明日

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