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まだ若い君へ

作者: 君死に給う

どうにもやりきれなくってこの文章を書いている。

私は野心があった。この文章を読んでいる若い君たちにもあるだろう、大きくなって必ず成し遂げたい野心が。そして若い君たちは目をかがやせて、ベッドにもぐりこんで夢想するのだ。野心を成し遂げた自分を、夢をかなえた偉大な自分自身を。私もそうだった。しかし野心というのはいざ大人になった時、存外興味の失せるものだ。これは嘘でも誇張でもなんでもなくて、現に私は今の今まで自分の抱いていた野心というのをすっかり忘れていた。けれどもその野心を思い出し、私がその野心に対して興味を失っていることに気が付いた時、私はとてつもなく悲しくなったのだ。自分があれだけ憧れていた大人の自分になった今、昔の自分自身が輝いて見えて仕方がないのだ。中身のない毎日を送り、それでも時間がないと焦って一日を明日の準備に使うような毎日。午前したことさえ思い出せないような空虚な毎日を過ごして、野心なんて等の昔に忘れてしまった自分が情けなくて仕方がないのである。

ああ、若い君よ。どうにか私を許さないでくれ。中身のない空虚な男は、罰せられることでしか自らを意識できないのだ。私にもまだ変わることのできる余地があるだろうか。なければ死んだも同然だ。野心も持たず過ぎ去る時間になんの感情も抱かない空っぽの人生なんぞ正に恥ずべき悪徳だ。私の進んできた時間というキャンパスは真っ白で、笑われて当然の作品だ……


人生に色を付ける。まずはここから


時間の流れを強く意識して、

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― 新着の感想 ―
[一言] 読みながら、自分もそうだなぁと思いました。日々の忙しさに追われて、本当にやりたかったことができているのかな、と。ふと或る日それに気付いて、1X年ぶりに小説を書き始めたのですが。 なにかを始め…
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