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19話 火燕のボス

 僕らと巨大な火燕カエンはにらみ合いを続ける。

やつから目をそらさずに、僕はラルムにこう問いかけた。


「あれは、火燕カエンなのかい?あんなに大きな個体も存在するものなの?」


「ありゃ、この群れのボスだ。大体、火燕カエンは、群れごとに一匹ボスがいるんだが、ボスの大きさは群れの大きさに比例する。これだけ大きな群れをなしているから、ボスも巨大だろうとは思っていたが……、ここまで大きな個体を見たのは俺も初めてだぜ」


ラルムは、他の火燕カエン達の攻撃を体液でいなしながら、さらに言葉を続けた。


「もうお察しだとは思うが、あのボスを倒さなきゃ、この戦いはおわらねぇ。だかよ、この辺を飛び回ってる雑魚火燕カエンどもは、ボスから供給される魔力で生きてるんだ。つまり、あのデカブツさえ倒しゃあ、他の火燕カエンも一網打尽にできるって訳よ」


「なるほどね…!全く、一気に片がつくのを喜ぶべきかしら?それとも、あれを倒さないと行けないことを悲しむべきかしら…!」


サーシャも、あたりの火燕カエンを蹴散らすために、スパーク繰り出しながら、吐き捨てるようそう言った。


「とは言え、今の僕らは防御で手一杯だ。これじゃボスに攻撃を仕掛けられもしない!」


僕も、電光石火で突っ込んでくる火燕カエンを叩き落としながら、ラルムへそう言葉を返す。

するとラルムは、サムに向かいこう言葉を続けた。

「おい、サムとかいったな!地図で見たが、この谷間は途中で川と合流するはずだろ?まだ川にはぶち当たらないのか?」


急に声をかけられたサムは、あわあわと慌てた様子で言葉を返した。

「へっへい、確かにテトラ川と合流しやす!前方のカーブを抜けるとすぐに見えてきますさ」


「了解。お前ら、それまで頑張って耐えてくれ。川沿いの道に出たら、防御は俺1人で充分だ。お前ら二人は、俺が防御してるあいだにあのボスを倒してくれ」


「そんな、この量の敵の攻撃を1人で防御なんて…!」


「無謀すぎるわ…!」


ラルムの提案に、僕とサーシャは一斉に止めにかかる。


そんな僕たちの言葉にラルムはニヤリと笑うと、得意気にこう言葉を続けたのだった。


「俺を誰だと思ってるんだ?水属性のモンスターはなぁ、水辺では最強なんだぞ?」


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