Amuletum ―支えたい―
ねえミオ。
僕はお前をずっと見てきたから
お前は繊細で傷つきやすいけど、胸の奥には鋼のような意思を持っていると知っているよ。
ねえミオ。
お前はそんな自分を、ときどき嫌っているようだけど、僕はお前が好きだよ。
ねえミオ。
人は望むように変われるんだよ。そりゃあ、今すぐにって訳にはいかないけどね。
幸せだったり辛かったりして、胸をぐらぐら揺さぶられる度に、お前は磨かれていくのさ。
そうして、すこーしずつ、すこーしずつ、お前は美しくなっていくんだよ。
ああ、外見の話じゃないよ。僕はお前の、魂の色しか見えないのだから。
ねえミオ。
僕はお前の、傷つきやすくて面倒な部分を愛おしいと思っているよ。
それはお前をお前たらしめる、大切な感性なんだ。
鋭いからこそ、些細なことで迷う。そうだろう?
もう自分は駄目だと腐った振りをしても、僕は騙されないよ。
お前の心の中にある翼は、まだ白く美しいままだ。
細い指先で天を示して、いつもそうしていたように、世界を飛んでごらん。
そしたらお前は思い出すだろう。
この世界は光と命に満ちていて、とても美しいってことを。
ああ、もちろんお前も、その中にある美しいものの一つだよ。
ねえミオ。
闇を見つめるのはいいけど、そこに囚われないで。
ねえミオ。
僕はね、お前が、お前自身を許して愛することを望んでいるんだよ。
ねえミオ。
好きだよ。
まもなく消える僕に、もう一度見せて欲しい。
お前そのものの、偽らない魂の色――――……
ミオ、諦めずに進んでごらん。歩いてごらん。
ミオ……。




