最強(自称)
ストロンデスト
最強。そうゆう意味だ。
この世の冒険者の武闘家の英雄達の頂点に立つ奴らが、もしかしたら何も頂点にいなくてもある意味での最強ってのはいるんだろう。
なぜならば、今目の前に立ちはだかる女の子が自称最強であり、それでいて顔を真っ赤にしてキレているからだ。ドウシテコウナッタ。
「ははっ」
自分の考えていることがくだらなすぎて笑ってしまう。仕方ないよな。そんなこと考えても仕方ない。
それよりこの状況を、なんとかしないといけないのだ。
「……なぁ、ちょ〜〜〜と言いすぎたと感じてきた。許してくんねぇか?」
一応聞いておく。もしかしたら……
するとその子が涙目になってこういったのだ。
「ダメよっ!公衆の面前であんなことしておいて!!」
あ、はい。なんでも無いです。ちょっとした出来心でして。てへぺろっ
「あんなことって……」
時は時は遡る。
つい数時間前に。
「ありがとうございましたー!!」
元気のいい受付嬢の挨拶に「どーも」と、軽く答えておく。
ギルドから出ようとしている俺を見ての小言が聞こえてくる。「あいつがあの?」「レベルまだ16なんだろ?」「いや、流石にレベルごまかしてるだろ?いくらなんでも16レベルで黒竜を…」
まぁ、そんなもんか、社会の目ってのは。よっ!まさに俺、時代の最先端!
っていっとけば気分がいいが、疑いの目や、妬む目が多くて困る。
というか、黒竜どうこうについて話すべきだな。
はい。私、ベン・フィールドは黒竜を倒しました。本当です。はい。嘘など全くありません。はい。黒竜の適正レベルは、120とされています。はい。レベル16です。はい。倒せました。はい。
そうなのだ。俺は黒竜を低レベルで倒したことによりこの街、ザメルナイト・フラグメントにて一躍、時の人となった。
そうなると、人の目も痛い。てかめんどくさい。街をふらふらしているだけで、こうゆう…
「ねぇ!!あんたが黒竜を倒したっていう。ベン?あんまり強そうじゃ無いわね!いいわよ!私が軽く粛清してやるわよ!」
……こうゆう勘違いちゃん(くん)が出てきちゃうじゃ無いですかやだー
「確かに俺はベンだが俺を倒すだ?何ほざいてんだ。大丈夫か?あ・た・ま♪」
適当に煽っておく。すると
「な、なによ!!私は名をあげな……なんでも無い!とにかく勝負よ!勝負!」
その言葉は聞き流して彼女の容姿を見る。
「?」
彼女は不思議そうにこっちを見ているが、気にしない。金髪、ツインテール、メガネ…はおそらく擬眼封じだろうか。その眼の色は赤。うん可愛い。服装はおしゃれな冒険者って感じだな。うん可愛い。ニーソがまたマニヤックな…。おそらくあれだ。ツンデ…なんとかってやつだ。あ、そうだちなみに俺の外見についてちょーとだけ。黒上黒眼首に黄色いマフラーをして黒い上着を前を開けた状態で羽織っている。そんだけ。てかそのツンデ…れ?現代の言葉は変なんが多いな。気をぬくと時代に置いてかれる。おっと話が逸れたわ。許せ
うん、この女の子いじりがいがありそうな顔してんじゃん。そうだ。この手の奴は怒られ慣れてない。ならここは思っ切り論破でもしてやればいい。そこで俺は息を大きく吸って言い放った。
「はあ!?ふざげんなよ?一般的に考えておかしいだろ!?なんで知らねー上にこっちの名前もなぜか知ってるような変態と勝負しないといけねぇーの?意味わかんねーよ!
あ!?名を上げる?知るかよ!俺はお前の引き立て役でもなんでもねーから、ただの駆け出し冒険者だから!!
あ?いってみ?なんで俺を狙うのかいってみ!?どうせ事情のためだろ?俺関係ねーじゃん。俺を使わずにどうにかしろよ!?冒険者として真っ当に生きろよ!ふぁ○く!!!」
頭のいい奴ならば言い返せたかもしれない。しかしこいつは冒険者やってるぐらいに馬鹿のようだならば好き放題言っても問題はなかろうて。僕はわるくありまっしぇーん。
そこで築いた彼女が泣いていることに。
「うっ、うっうっ」
あ〜やっちゃったか〜。
まぁ仕方ないよね?ね?俺は悪くないこの子が悪い。ok完璧や。もう一つ気づいた、周りに人がたかっていることに。
「はぁー」軽くため息を吐いて、俺はその場を全力で逃げ出した。
「うっ….あ!ま、まへ!」
泣きながら追いかけられる。美少女に追いかけられるなんて一つの夢だとは思うがそれどころじゃない。あー、助けて神様
5分後
捕まった。俺は闘技場まで連れてかれて、彼女と戦うことになったらしい。本人を除いての話し合いだったので後から聞いた。
試合の直前彼女がこう言ってきた。
「最強の私にかてる!?」
痛いなこいつ……
そして今に至る。どうしようどうしよう
絶対勝てないじゃんもー、お家帰りたい。