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『思い出』
幸太郎………………
おぬしがおらんようになってから、長い長い歳月が過ぎてしもうた。じゃがな、今でもおぬしと出会った時からのことは忘れとらんぞ?
おぬしと出会ってから、妾はとても愉快な毎日を過ごせておった。
あぁ…………
あの頃が懐かしいのぉ………………
「楓はおるかの?」
「はい、何でしょうか? 和華様」
「記憶の勾玉を持ってきてはくれぬか?」
「承知いたしました」
妾はもう1度あの日から、幸太郎と出会ったあの日から記憶を辿ることにしたのじゃ。もう何十年も前のこと。幸太郎と出会ったあの日から……もう一度。