表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
もう1人の自分が女だったらどうしますか?  作者: 功刀


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/67

コタツでぬくぬくと

 部屋でコタツに入り、ぬくぬくと温まる。今はそんな状態だ。

 外は寒いしこうやってダラダラと過ごすだけで幸せを感じる。コタツ最高だ。

 そうやってまったりしていると晴子が部屋に入ってきた。


「う~寒い。今日は一段と冷えるな」

「そりゃ冬だしね。晴子もコタツに入れよ」

「そうするよ」


 寒そうにしている晴子が近づいてくる。


「もうちょっと端に寄ってくれないか」

「?」


 うん? どういう意味だろう?

 そのまま動かずに待っていると――


「よいしょっと」

「なっ……」


 こいつ……俺の隣に座りやがった。


「お、おい。なんで隣に来るんだよ。他の場所に入れよ」

「いいじゃんか。ケチケチすんなよ」

「狭いだろうが。つーかなんでこっち来るんだよ……」


 そこそこ大きめのコタツとはいえ、同じ場所に2人座るとけっこう狭い。肩が密着するぐらい狭い。


「一緒に居れば暖かくなるだろ? 少しでも暖まりたいじゃんか」

「そうかもしれないけどさ……」

「まぁ気にすんなよ。あとこっち側だとテレビも見やすいし」


 俺の座っている位置だと、正面からテレビが見えるから確かに見やすくはある。


「じゃあ俺が移動するよ」

「待てよ。なんで春日が離れるんだよ」

「いやだって……」


 肩が密着しているとドキドキしちゃうからなんて言えない。それにいいにおいもしてくるし。

 慣れてきたとはいえ、晴子みたいな美人にくっつかれると意識してしまうのが男の性だ。


「オレと一緒なのはそんなに嫌なのかよぉ……」

「べ、別にそういうわけでは……」


 そんな悲しそうな目で見ないでくれ……


「というか嫌なのは晴子の方じゃないのか? その、なんというか、俺は男なんだし……」

「…………」


 晴子だって元は男なんだし。男の俺と密着するのは避けたいと思うんだけどなぁ。

 くっついてくる時は基本的にからかう時だし。


「……そうでもないよ」

「うん? どういう意味だ?」

「別に……オレは嫌じゃないよ。春日と一緒にいるのは」

「そうなのか?」

「うん」


 晴子はさらに近寄り、体重を預けるようにもたれ掛ってきた。


「こうして一緒にいると、すごく安心するんだよ」

「それは……俺だからか?」

「ああ」


 なるほど。そういうことか。そういや前にもあったな。

 俺のことは全て知っているから、どういうやつなのか全て分かるもんな。だからこんなにも信頼しきっているのか。

 晴子にとって、俺は親よりも信用できる存在なんだろう。それこそ世界の誰よりも。安心できるってのもうなずける。

 いつもやたら密着してくるのはこういうことなんだろうな。


「そっか。んじゃしばらくこうしているか」

「うん」


 そのままの状態でテレビを見ることにした。

 テレビを眺めていると、女子アイドルが歌っているシーンが映った。なんとなーくそれを見続けていると、晴子が元気無さそうな声で話しかけてきた。


「な、なぁ。春日は……その……やっぱり、ああいう女の子が好きなんだよな?」

「は? いきなりどうしたんだ?」


 たしかにテレビに映っているアイドルはかなり可愛い。男たちを魅了するぐらい美人だ。というかそれぐらい見た目が良くないとアイドルなんてやってないと思うけど。


「春日はああいうスタイルの女の子がタイプだったもんな」

「うっ……」


 俺のことを全て知っているだけあって、こういうことすら隠し通すことも出来ない。


「そ、それは……なんというか……」

「やっぱり……オレよりも……アイドルのが可愛いもんな……」


 どんどん声が小さくなっていく晴子。


「なーに言ってんだ。晴子のがずっと可愛いだろうが」

「……ふぇ?」


 こいつは見た目だけはかなり美人だしな。ミスコンで1位取るのも夢じゃないだろう。それぐらい可愛らしい容姿をしている。

 しかしあれだ。腹が減ったな。

 まだ晩飯には早いけど、昼はあまり食ってなかったせいで胃の中が空っぽだ。

 寒いし、今日は鍋でも食いたいな。いや、ラーメンってのは悪くない。いやいや、あえてカレーってのもいいな。

 うーん迷うな。今は腹が減って何でも食いたい気分だけど――


「か、春日。い、今……なんて言った?」

「へっ?」


 なんだこいつ。やたら顔が赤いぞ。


「い、今言ったやつ……も、もう一回言ってくれない……かな?」

「今の?」


 えーとなんて言ったんだっけ。

 たしか……


 ………………


 …………あれ? もしかしてとんでもないこと言っちゃった?


「な、なぁ。もう一回言ってくれよぉ」

「……わ、忘れた」

「一回だけでいいからさ」

「知らん! 忘れたっての!」


 やっべ。今更ながら恥ずかしくなってきた。なんであんなこと口走っちゃったんだろう。


「なぁなぁ。もう一回言えよー」

「いやだ」

「頼むよ。今度はスマホで録音するからさー」

「ぜってぇ言わねぇ」

「やっぱ覚えてるじゃんか」

「ぐっ……」


 くそっ。墓穴掘っちまった。

 この野郎。ニヤニヤしやがって……


「ほーら。はーやーくー」

「やらねーっつってんだろ!」

「かーすーがー」

「いちいち揺らすな!」

「はーやーくー」

「ああもうしつこい!!!!」


 今後は発言に注意しよう。

 心の中で固くそう誓った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ