寝込みイタズラ
いつものように帰宅してから部屋に向かい、ドアを開ける。
「ただいまーっと」
…………
あれ? 誰も居ない? もしかして出掛けてるのか?
と思ったが、返事が無かった理由がすぐに判明した。晴子はベッドの上で気持ち良さそうに寝ていたからだ。
こいつめ。人の気も知らずにのん気に寝やがって……
そうだ。丁度いい。この隙にイタズラでもしてやるか。ちょっとぐらいなら大丈夫だろう。いつもの仕返しだ。
寝ている晴子の側まで近づき、すぐ横で座った。
うーん。意外と寝顔も可愛いな。もし俺が女になったらこんな顔になるんだろうか。
こいつは見た目だけは本当に美人だ。千葉達が魅了されるのも理解できる。でも中身は男――というか俺なんだよなぁ……
…………少しぐらいなら触ってもいいよな?
ぷにぷに
そしてほほを突いてみる。
おお。やわらかいな。俺のよりやわらかい。意外と触り心地もいい。女の子はみんなこんな感触なんだろうか。
しっかし気持ち良さそうに寝てやがる。案外起きないもんだな。
ふーむ……
…………
ふと、晴子の胸元に視線が移る。そこには二つの山ができていた。
……………………少しぐらいなら触っても……怒られないよな?
元から晴子が触っていいと言ってたしな。きっと問題ないはず。うん。
息を飲み、そこにそーっと手を伸ばす。
そして片方の山を優しく掴み、ひと揉み。
もみもみ
おお。やわらけぇ。ほっぺよりもやわらかいな。
女の人はすごいな。こんなのを二つもぶら下げてるもんな。そりゃ歩くと揺れるってもんだ。まぁ揺れない人もいるけど。
しかし本当にやわらかい。ここには男のロマンが詰まっているとかいう奴もいるが、案外間違ってないかもな。この感触ともみ心地は虜になってしまいそうだ。
……あれ、おかしいな。
以前に揉んだときよりも感触が少し違う気がする。気のせいか……?
…………
あ、わかった。
前はブラを付けた状態で揉んだんだっけ。でも今はたぶんブラを付けていない。だから感触が違うんだ。
つーかなんでノーブラなんだよ!?
そういやノーブラも意外と快適とか言ってた気がする。だからその状態でつい寝てしまったんだろう。
ということはブラもしていないから、これが生に近い感触なのか……
しかし本当に揉み心地がいいな。そろそろ止めようかと思っていても手が止まらない。
さすがにこれ以上続けてると起きるかもしれないし、止めるべきなんだろうけど……
でもこんなチャンスはあまり無いし、今のうちにこの感触をもっと味わっておきたい。
いやいや、バレたらさすがに怒られるかもしれない。だからそろそろ手を離さないと……
だけど、もっと揉んでみたい……
もうちょっとだけ……
もうちょっとだけなら……
あと数秒くらいなら――
「……いつまで揉んでるんだよ」
「――ッ!?」
やべぇ……やりすぎた……
すぐに手を離したが、さすがに手遅れだ。
晴子はゆっくりと起き上がり、軽くアクビをしてからこっちを向いた。
「人が寝てるときに何してるんだよ」
「い、いや……その……なんというか……」
やはり怒ってるよな……
と思ったら突然ニヤリと意地悪そうな表情になった。
「で? どうだった?」
「へ?」
「だから。オレの胸を揉んだ感想だよ」
「なっ……」
いきなり何を言い出すと思いきや……
「予想以上に柔らかかっただろ?」
「いや、まぁ、あの、なんというか――」
「だってお前は直に触ったことないじゃん」
「うっさい!」
「よかったな。オレのお陰で初めておっぱいの感触味わえたんだ。感謝しろよ?」
この野郎。調子に乗りやがって!
でもこいつの言う通りだから何も言い返せなくて悔しい……
「つーか結局触るのな。それならあの時に意地張らないで断らなけりゃよかったのに」
「ぐっ……」
「ったく。何してんだよお前は。オレってそんな性格だったと思うと情けなくなるぞ」
散々である。
やはり止めとけばよかった……
「ところでさ。結局何を隠してたんだよ」
「あー……」
美雪が弁当を作ってきてくれる件についてだろう。
だけど何で今さらそんなこと聞くんだ?
「つーか何で蒸し返すんだよ。もうそれはいいだろ」
「いやだってよー。気になるじゃん」
「頼むから忘れてくれよ。しつこいぞ」
「んー……それだったら~」
そう言って少し考えるようなポーズをしたあと、いきなり笑顔を浮かべた。
あっ。嫌な予感。
「言わないなら~…………」
「言わないなら?」
「オレの胸を揉んだことを美雪にバラしちゃおうっかな~?」
「んなっ!?」
「くっくっくっ……」
ちくしょうめ。そうきたか……
やはり晴子が揉んでいいって言ってきた時に断って正解だった。嫌な予感がしたんだよな。それも無駄になっちゃったけど。
さすがにこれ以上黙っておくわけにはいかず、結局全て喋ることにした。
「んだよ。そんなことだったのかよ……」
「だから大したことじゃないって言っただろ」
「なら最初から隠すなよ」
「お前が無理に聞き出そうとするのが悪い」
「でも弁当か……」
晴子は何かを考えているような表情になり、そのままベッドに寝転んだ。
「どうした?」
「……いや、なんでもない」
何か気になることでもあったんだろうか。
まぁいいや。もう済んだことだし。これ以上詮索するのは止めよう。




