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もう1人の自分が女だったらどうしますか?  作者: 功刀


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男と女の違い

 風邪をひいた日の夜。晴子が看病してくれたお陰か風邪はほぼ治りかけていた。これなら明日は学校に行けそうだ。

 晴子には一応、感謝はしている。……余計な事してなけりゃ素直に感謝してたんだけどな。

 けれどもちょっとした問題があった。


「……目が超冴えてる」

「だろうな」


 寝れないのである。一日中寝てたから当たり前といえば当たり前だが……。

 しかしどうしたもんか。ゲームをする気分でもないし、かといってスマホ弄ってたら余計に寝れなくなりそうだ。

 悩んでいると、うすら笑いを浮かべながら晴子が話しかけてきた。


「寝れないなら手でも繋いでてやろうか?」

「…………」


 こいつは本当に変わらんな……。

 いやまてよ……。下手にうろたえたりするから調子に乗るんだ。ならいっそのこと提案に乗ってみるか。

 そして手を刺し伸ばす。


「いいぜ。ほら」

「お? 本当にやるのか?」

「お前が言ったんだろうが」

「まーそうだけど」


 晴子も手を伸ばし、握手する格好になる。

 ……ふむ。柔らかい手の感触が伝わる。白くて少し小さい手だ。俺と違ってスベスベしててきめ細かい肌をしている。

 今更だけど……本当にこいつは女なんだよな。やはり男と違って色々と苦労してるんだろうか。

 いい機会だ。普段聞けなかったアレとか聞いてみるか。


「……ちょっといいか」

「ん?」

「晴子はさ……女になってから変わったことあるか?」

「何だよ突然」

「いや、気になってな」

「変わったことねぇ……」


 手を離し、腕を組んで考えだした。


「やっぱりあれだな。トイレが近くなったかな」

「あーそれは聞いたことあるな」

「まだこの体……というか女の体に慣れてないせいもあるかもしれんが、男の頃より頻度が増えた気がするわ」

「なるほどね」


 予想はしていたが、やはり悩みの種みたいだな。

 丁度いい。ずっと知りたかったあのことも聞いてみるか。


「あのさ、女は立ったまま(・・・・・)だと出来ないって聞いたんだけど……やっぱ無理なのか?」

「…………」


 凄まじいセクハラ発言だと自覚している。

 こんなこと本物の女性に聞いたら怒りの鉄拳が飛んでくる上に、通報されることは間違いないだろう。

 しかし目の前のこいつは別だ。晴子になら聞ける。

 いや――この疑問は晴子にしか聞けない。


「……まぁ……その……やろうとしたことはあるけどさ……」


 試そうとしたんかい。


「前にトイレでさ、寝ぼけてて立ったまましようとしたことがあったんだよ。危うく大惨事になるところだったぜ」

「おいおい……」

「だから座らずに出来ないかなーって色々考えた時期もあったんだけどさ、結局無理だと判明したよ」

「やっぱ駄目なのか」

「ああ」


 女である本人が証言するんだから間違いないだろう。

 これで一つ賢くなった。


「あとはそうだな……風呂が長くなったかな」

「どれくらい?」

「男の頃より倍……いや三倍は増えた」

「そんなにか?」

「まーな」


 これは初耳だ。少し長くなる程度だと思っていたが、三倍は予想外だな。


「なんでそんな長いんだ?」

「……春日のせいだろうが」

「へ?」


 全く身に覚えがない。なんかしたっけ?

 すると晴子は髪を触り始めた。


「髪洗うのに時間掛かるんだよ。まだ慣れてないからな」

「ああ、なるほどね」


 晴子の髪は長いからな。あれだけの量を洗うには一苦労しそうだ。


「だからオレは切りたかったんだよ。でもお前が切るなって言ったからこのままにしてるんだぞ」

「うっ……」


 申し訳ない気分になってきた。やはり苦労してるんだな……。


「そうだよ苦労してるんだよ」


 さすがに顔に出てたか。


「ふーむ。そうだな……なら一緒に風呂入ってみるか? どれだけ大変か知るにはいいチャンスだろ」

「は? い、いや……俺は別にそこまでは――」

「くっくっくっ……」


 ……最近からかい方が上手くなった気がする。


「ま、そういうわけだから……ほれ」


 晴子の手には櫛が握られていた。俺が買ったやつだ。


「……櫛?」

「お前が買ったんだろ。だからこれで髪とかしてくれよ」

「俺が? いいけどやり方知らんぞ」

「簡単だって。すぐ慣れるよ」


 櫛を受け取る。

 そして晴子は髪留めを外し、ポニーテールからロングストレートの髪型になった。背を向けたので真後ろまで移動してから座った。


「軽く手で()いたあとに毛先からブラッシングするんだよ。簡単だろ?」

「あいよ」


 髪を持ち、言われた通りにゆっくりと手を動かした。


「こんな感じか?」

「うむ。くるしゅうない」

「左様ですか」


 とりあえず満足しているらしい。


 髪をとかしつつ、夜は更けていった。

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