9.魔法チート?
お詫び。
タイトルの「。」の後に全角スペースが入ってるのに気付き、1/17 19時半ごろ削除しました。
影響はないと思いますが、ごめんなさい。
細かいところがうまく書けず、ペースが落ちてます。ごめんなさい。
夕食を食べた私達(私を除く)は、かまどを囲んでる。といっても、シャルはもう寝ちゃってるし、シルフィは私に結わえ付けた小さな袋の中で寝ちゃってる。
袋はリトアさんに貰って、中に布を詰めたから、寝袋がわりになるだろう。
焚き火をはさんで、リトアさんと私が向かいあっている。
「枯れ枝を拾ったりできなくて、申し訳ない」
私が言ったのを聞いて、リトアさんが微笑む。
「いえ。むしろシャルをあやしてくれて助かりました」
リトアさんが、真顔にになり、聞いてくる。
「それにしても、不思議なお話でした・・・・郷里の昔話ですか?」
ちょっと焦る。
「もとの話は私の世界でよく知られた話なのだが、なにぶん小さな時に聞いた話なので、あやふやになってしまった。後半はもはや、創作話だった」
「ふふ、そうですか。でも」
リトアさんは私の方をじっと見つめる。
「これで、貴方が人間だったということ。この世界にいた人ではないと確信できました」
子供向けの「昔話」というものはいままで聞いたことがないという。過去の伝承話はあるが、内容がみんな大人向けだという。
むむぅ。そういうものなのか。そういうお話ができないのも不思議な気がするが。
「それにしても、どうしてその体に意識があるのでしょうね。魔王軍の兵士、それもゴーレムに」
話がつながるかわからないが、シルフィから聞いたダーク・フェアリーの話、発見された古代遺跡の話をする。
「なるほど・・・・・それなら街にはそれほど苦労せずに入れるかもしれませんね」
今回私のようなゴーレムが進軍してきたのが初めてなので、魔物として認識されないかもしれないと。
この世界のあちこちで古代遺跡が発見されていて、その中から様々なゴーレムを見つけることがあるという。ゴーレムを使役させる魔法があり、あまり使える人はいないが、それを用いるとその魔法が使えない人もゴーレムの主人になることができるという。
「ただあまり高度な命令に従えませんので、馬代わりに運搬に使われることが多いです。使役されてるゴーレムとしての印として黄色か茶色で塗られ・・・」
リトアさんが止まった。
「どうした?リトアさん」
「いえ・・・・今更ながら思いついたのですが・・・・」
リトアさんが申し訳無さそうに言う。
「街にいるときに黄色か茶色に体を塗ればよかったですね。布を巻くのではなく」
私はしばらく停止した。
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とりあえず、その話は街に近づいてからにすることになった。
リトアさんは、続いて夜の見張りについて話し始めた。
「私も2.3時間見張っていた方がいいのではないでしょうか」
索敵機能が完全じゃないことがわかったしなぁ。でも、別の問題がある。
聞いてみよう。
「リトアさんが睡眠不足で不調になったら、何かあったときに判断できる人がいなくなる。そうなると困るのだが」
リトアさんは、気を悪くせず、微笑んで答えた。
「大丈夫ですよ。昔は夫と冒険してましたので。見張りは慣れてます」
もっとも、もう歳なので徹夜は無理ですけどねと軽く笑う。よしここで好感度UPだ。
「リトアさんは、お若いですよ?お子さんを連れてるとは思えません」
「あらやだ。お上手ですのね」
軽くあしらわれた。むぅ人生経験の差か。私の方が年齢が上だが内容は薄いもんな。
結局リトアさんは、最初の2時間は起きていて、私と一緒に見張りをすることにした。
その間にいろいろこの世界の話をして、知識を得るのがいいだろうということに決まった。
でも、話してる時警戒が薄くならないだろうか?
そんな疑問を察したかのように、リトアさんは言う。
「<警戒>という魔法がありますから、心配してくていいですよ」
2時間ぐらい効力がある魔法で、一定範囲内に何かが侵入するとわかるのだという。
連続使用すると疲れが大きくなるので、多用はできない。
盗賊の襲撃跡があった平原では、使ったという。
つくづく思うのだが、リトアさんの方がチートだよね?
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魔法のことを聞いてみることにした。
魔力は、人間、獣人、妖魔、魔獣、妖精、精霊などが持っているが、動物、昆虫などはないそうだ。
昆虫もこの世界にいるのか。地球と同じような生命種はありえないと思ってたけどなぁ。
その魔力を用いた術を、魔術、魔法という。おおまかに分ければ、広く広まった術を魔法、あまり知られてないものを魔術と呼ぶんだそうだ。
ある程度魔法を使いこなせるようになると、自分の魔力の量、他の人の魔力の量をなんとなくわかるようになるそうだ。
魔法はいろいろなタイプに分類されるが、基本は自分の体から魔力を発するのとイメージだそうだ。呪文はいらないけど、冒険者等で連携して戦うときなんかは「火矢!」とか言うそうだ。
簡単だ。お手軽だ。私にもできそうだぞ。うん。
「私にもできるだろうか?」
思い切って尋ねてみる。ダメ元だ。ワクワク。
「そうですね・・・普通、ゴーレムからは魔力を感じないのですが・・・」
私には、結構な量の魔力を感じると言う。ひゃっほい。魔法の出し方を聞いてみた。
「手を上げて対象物に向けます。そしてお腹のおへそのあたりからゆっくりと力を手に向けて送るように・・・」
私は体をずらし、20mくらい先の大きな石に腕の1本を向ける。
むむむむ、お腹と思われる場所から手にかけて、魔力が流れる様をイメージする。むむむ、火、火でろー。
ぴぴっとなんかメッセージが出た。
>【エラー:[拡張機能未搭載] 魔術発生ユニットが搭載されていません 】
「リトアさん・・・・、私は魔法が使えないようだ」
私はがっくりした。