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目が覚めたら殺人機械でした。  作者: ノス・ファントス
14/18

14.シャルのおとうさん?

予約投稿を試してみました。うまくいけば良いのですが。

あと暗めの話しが続いてごめんなさい。

曇っていて星が見えなかった空は、朝になると、ポツポツと雨が降り出し、やがてしとしととした雨になった。

朝食を急いでとり、すぐに出発した。

リトアさんは達は、雨具をまとっている。フード付きマントそっくりだが、防水加工してあって。ぴったり前をしめると水が染み込まないんだそうだ。


昨晩のことがあってなんとなくリトアさんと、いつものように話せなくなってしまった。気まずい。

ごまかすために、シャルにずっと昔話をしている。

「笠精霊像」とか「レッド・マント」とか「1テル剣士」とか。元の話はなんだったかわかるだろうか。

3つ目のはちょっとわかりにくいから、ヒント。

1テルは親指の先から第一関節までの長さだそうだ。もうわかったよね?



夜の間に元ネタを思い出していて本当に良かった。まだしばらくは持ちそうだ。

シャルは同じ話を連続して繰り返さなければ満足らしい。

あと勇者が大暴れして最後に魔王が倒される話が大好きだ。

とくに女勇者ワンダー・モモインの話は。その話だけで20回はしたんじゃないだろうか。


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薄暗くなってきたので、野営の準備をした。

雨が降っているので、手頃な枝ぶりの木を探し、防水布をかぶせ、屋根がわりにする。

もう1枚を地面に敷く。ちょっと離れたところで焚き火をする。

雨で濡れないような場所を選んでいるから大丈夫だ。ちょっと離れているので暖まることはできないが。



シルフィの寝袋は雨で濡れちゃったので、リトアさんが魔法で乾かしてから、地面にさした枝に引っ掛けている。

ご飯を食べてからさっさと寝袋に潜ってしまった。



シャルはまだ起きている。珍らしいな。いつもはもう寝てるのに。

リトアさんがシャルに毛布をかけながら言う

「シャル、もうそろそろ寝なさい」

シャルは俯いたまま。黙っている。

「シャル?」

「あのね・・・」

顔を上げて、リトアさんが呼ぶのを遮るように言う。

昨日見た表情だ。リトアさんが決心した時の顔だ。



「おかあさんとクロはけんかしたの?」

いつものように「クロちゃん」とは言わない。何か心境の変化だろうか。

リトアさんがなだめるように聞く

「喧嘩してないわよ。どうして?」


シャルはまたうつむく。しかし口調はしっかりしている。

「あのね。おかあさんとクロはなかよくほしいの」

「もっともっとなかよくして、もっともっともっとなかよくして」

「それでおかあさんとクロがけっこんして」

「クロがシャルのおとうさんになってほしいの」

おもわず、リトアさんと顔を見合わせるが、またシャルのほうをむく、まだ言いたいことがあるようだ。


「シャルはおとうさん死んじゃったことしってる」

リトアさんが、はっと息を呑む。


「おかあさんはおとうさんが遠いところにたびに出ているって、もうすく帰ってくるっていったけど」

「シャルは6さいになって、もうおねえさんだからわかったの」

「シャルがちいさいとき、おかあさんが夜ないてたのは」

「おとうさんしんじゃったからだって。もういないんだって」



「クロはおとうさんみたい」

「おとうさんみたいにお話してくれて」

「おかあさんもクロにおとうさんみたいにわらって」

「おとうさんみたいにつよくて」

「おとうさん・・・・ひっく、おと、おとうさんみたいに、だっこしてくれて・・・」


「ひっく、お、おどうざん、おど、ひっく、さん、おどうざーん」

シャルはとうとう号泣してしまった。


「リトアさん!頼む。シャルを抱いて寝てくれ。見張りはいらない」

「え。あ。は、はい」

リトアさんもシャルがこんなに泣くのを見たのは久しぶりだったのだろうか。少し慌てている。


「私は少し離れて見張っている。大丈夫だ。おやすみ、リトアさん」

「は、はい。おやすみなさい、クロさん」



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私は20mくらい離れたところまで進む。この辺りならまだ2人のところは見える

ぼそぼそと何か話しているようだ。シャルは寝付いてくれるだろうか。

ここなら大きな声を出さなけば、内容は聞こえまい。



頭の上にシルフィが座ってる。ずぶ濡れだ。

あの騒ぎで起きてきたのだろうか。私についてきている。

腕2本のシルフィの上にかざし、掌を傘代わりにする。

「ずぶ濡れだぞ、大丈夫か?」

「平気ですよ、このくらい」

ぼわっと体が光る。20秒位して光が消えると、体はすでに乾いていた。便利だなそれ。



「さて、どうすればいいのかねぇ」

人付き合いが全くダメな私が解決できる問題ではないと思うぞ。

「簡単です。結婚して父親になればいいだけのことです」

シルフィが迷わずこたえる。

寝てなかったのか?騒動の内容を理解しているようだ。

「子どもが1人、大泣きしたからってする行動じゃないだろ、それ」

私は続けて言う

「それに、私は人じゃない。ゴーレムだ」

「些細な問題です。そんなこと」

ばっさりと切り捨てられた。些細なのかねぇ



私の思ったことを読み取ったのか、シルフィは言う。

「そうです。マスターには人の心が入ってるのでしょう?自称ですが」

「男と女が出会い、心からの本音を言える仲になる」

「そこまでいけば外見の差、出会った日数の少なさなど些細なことでしょう」



力強いお言葉だな。どこの恋愛相談室だよ。あれ?待てよ。

「おい、シルフィ、その『心からの本音を言える仲』ってどこから出てきた?まさか・・・あの時起きてたのか?」

シルフィを見上げる。げ、あの顔は悪びれた顔じゃない。ネズミをいたぶるネコの顔だ。

「なんて言ってたでしたっけ、あの人は。『貴方は私とおな・・・』」

「わかった私が悪かった!何が希望だ?」

必死で話を遮る。思わず大声を出してしまい、慌てて小声にする。



「おほほほ、何をしてもらおうかしら。街で何か買ってもらうのもいいですわね」

なんか口調が、悪役令嬢なんですけど。いうかその知識どこから仕入れてきた?

お手柔らかに頼む。



なんとか【マスターからのお願い】ということでその方法は保留ということにしてもらった。

シャルは小さなかわいい子どもだ。

あのちいさな体に、必死で思いを隠して溜め込んでいたのだろう。言えば母親が悲しむから。

でもシャルの願いを叶えることはできない。

私は人ではない。殺人機械なのだから。



夜は更け、明けていく。


なんの答えも見いだせないまま。


・お願い

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