第1章 雲の再来
第二話ではありますが、まだ第1章です。これから、のんびりやっていきたいと思います。
家に帰ると檜の懐かしい香りがした。小さい頃は大きく広かった廊下も今は少し狭く感じる。
「ただいま。」
今日は休日だし、きっとお父さんもいると思うけど家には誰かがいる気配がしなかった。線香あげてこよう。
「ただいま、お母さん。」
ガチャッ
玄関の方から、ドアが開く音が聞こえた。お父さんが帰ってきたのかな。
「夕雲か?いつ帰ってきたんだ?」
「今日だよ、お父さん。ただいま。私、一人暮らしを始めるから、そのお知らせに来たの。また、しばらくの間、行ってきます。」
「気をつけなさい。」
やっぱり、お父さんとは会話が持たない・・・。でも、お父さんに挨拶も済ませたし、少し近所を歩いてみようかな。荷物は最低限の物だけだし・・・。マンションに向かいがてら散歩しよう。この街も少し変わったみたいだし、コンビニとか雑貨屋も新しくなってるかもしれないし・・・。色々見に行ってみよう。あと、本屋によって新しい本を買って・・・。
「わっ!!」
今日はぶつかるのが多い気がする・・・。
「ごめんなさい、ぼーっとしてて・・・。」
「こっちこそ、すみません!ってあれ、もしかして夕雲?」
「えっと・・・?」
「覚えてないかもしんないか・・・。改めて自己紹介するとか変な気分だな、おまえ相手に。堀江結吾。一応、おまえのお兄ちゃん代わりだったんだけど、覚えてないなら仕方ないか、6年もたってるんだし・・・。」
「ゆ、結吾くん!?昔と全然違うから全くわからなかった・・・。」
私もひどいな・・・。お兄ちゃん代わりを忘れるなんて・・・。
如何でしたでしょうか?次回もがんばって更新したいと思います。