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忠告によせて

作者: ----寺----
掲載日:2026/05/23

 なに勝手に話進めてんの。自らエコーチェンバーに身を投じて予定調和の(ただ)れたままごと議論して楽しいの。

 どんな理屈によって召集(しょうしゅう)された誰がどんな経過を辿(たど)ってどういう思考のもとになんの権威(けんい)や正当性に裏付けられて出した結論なのか、(およ)(まった)(ことごと)く、何一つとしてわからない。過去の経過、現在の結論、今後の展望、それら一切の責任から目を(そば)めて空疎(くうそ)な結論(もど)きを投げ捨てるように提示されたって、こっちはめくらじゃないんだから、下請(したう)(ぜん)としてあるいは悪の凡庸性(ぼんようせい)を愚かにも決然(けつぜん)(いな)むかのようにはいそうですかと横に(なら)えといくはずもないだろう。


 そもそも君が君だけがその場にいるのはなぜだ。一体全体どんな奇妙奇天烈(きみょうきてれつ)な理屈のレンズから投影(とうえい)すればそんなことになるのだ。俺の前に立ちたいのか、俺の背後をとりたくないのだか知らないが(ゴルゴ13に恨みでもあるのか?)、情けない、恥ずかしい、見苦しい、醜い。みんなが君に対して少なからず思っていれども寛大(かんだい)にも言わないことにしてくださっておらせられることを、わかりやすく簡潔(かんけつ)に、最少字数でまとめよう。


 でしゃばるな。


 冷徹(れいてつ)なプラグマティストというならいざしらず、君は単なるわがまま王子だ。稚拙(ちせつ)な大脳辺縁系の内奥(ないおう)からまろび出る欲求、脊髄(せきずい)に報酬系をコンパクト収納しているのかと疑いたくなる直感的行動原理。まるで小学生の頃の自分を(なが)めているようで、(たゆみない不断の努力によってはあるいは)可愛(かわい)くさえ思えてこられる。君の思考回路はそもそも整然(せいぜん)と接続可能な論理的に解説されうる道理に(もと)づかず、初代マリオ4-2のワープ土管のように深遠(しんえん)な空白をいともたやすく()()える超常的な光景を目撃(もくげき)する俺は、さながらヒエログリフに(ひとみ)を輝かせる若き日のシャンポリオンといったところか。その超常が日常となった今ではもはやいちいち(おどろ)くこともないが。

 まったくもってわけのわからん支離滅裂(しりめつれつ)なあほともつかない謎の言語を騒音規定超えの大音声(だいおんじょう)で叫び散らすのをどうかやめてくれないか。

 理知的(りちてき)な馬鹿なら(さと)すも(やす)いが、人智を超えたスピリチュアルな神々の言葉で預言(よげん)されても我々人間風情(ふぜい)にゃ嚥下(えんげ)も遠くかないやせん。君の体躯(たいく)から溶け出る、思考や行動をはじめとする君の存在に関係するそれらのすべては、おしなべて、幼稚だ。白痴(はくち)といった方が近いかもしれない。

 君が引き起こすごたごたの数々(かずかず)にみんなが辟易(へきえき)しているといる実際(じっさい)を、もしも君があくまでまだ(かろ)うじて(めし)いていないというのなら、まず一度直視することを毅然(きぜん)勧言(かんげん)する。

 四肢(しし)に加えて口さえも動かせないらしい木偶(でく)の二人を従えて一国一城の主を気取るのも一興だろうが、ごっこ遊びはそろそろ卒業の年頃だぜ。ここいらで正気に帰って辺りを見回してごらん。君が()むことのできる土地などとうに全部崩れて落ちたというどうしようもなく巨大なたった1個の事実がその目に明らかだろうさ。


 なんでもかんでも(こと)が君の勝手気儘(かってきまま)に思い通りに運ぶと考えているならそれはとんだ見当違(けんとうちが)いだ。自分の存在を認めるということはすなわち他者の存在を認めることと同義であるという自明(じめい)()を超自然的暴力的発想でもって()いことにして独善的(どくぜんてき)浅薄(せんぱく)なドグマを押し付ける(さま)は、さながら君世界(キミせかい)の通貨で交易(こうえき)の支払いを清算(せいさん)しようとするようなものだ。

 ものごとを俯瞰(ふかん)して相対化した見方(みかた)をしようと思いもつけない君は、ああ、なんと皮相的(ひそうてき)だろう。

 仮にこんな人間を(した)う者があれば、愚蒙(ぐもう)を絵に描いたようなものだ。噴飯(ふんぱん)見世物(みせもの)サーカスでさえ団をこぞって見物(みもの)に来るにちがいないね。


 長らくひしひしと感じていはしたが、やはりどうして、この管打一座には独善的な無謬(むびゅう)主義者があまた蔓延(はびこ)っているらしい。こんな()()めに心を置いては、(つる)だって黒く(おか)されるというものだ。


 君との(というか、君の)話にならない話をこれ以上続けることもないだろう。電灯を月と信じて追う君の努力がいつの日か結実することを祈念して。



“空にある星を一つ欲しいと思いませんか? 思わない? そんなら、君と話をしない。”

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