第九話 味方
少し遅れました、すみません。
優しく見てやってください。
あの後、周囲の警戒を強めながら一旦明たちと合流。
その後テントへと集合し、光輝は治療を受けている。
「えと、これで良い筈だよ」
「ありがとう」
恵美に治療してもらい、そのまま皆の集まっている場所へといった。
「あ、光輝!」
「心配かけて悪かったな」
千代が駆けてくる。
「今度なんかで埋めなさいね」
「へいへい。……あれ? 明達は?」
ぐるりと周りを見てみると、千代とファルキリー達しか居ない。
「はい、なんでも援護に来た方達と話し合っているようです」
「ありがと」
いえ、これも務めですし…
等と言いながら皆警護の為に別れた。
「俺らも手伝うか?」
「そうね」
二人は未だに騎士達の治療をしている人たちの下へといった。
…明たち…
そこには緊迫した空気が流れていた。
「では、援護に駆けつけた時には…」
「おう! ……嬢ちゃんは居なかったぜ」
大きな鎧を着た男が答える。
その鎧の大きさのせいか姿が見れず、声のみ聞こえ、男だと判断できる。
「まー、あの譲ちゃんなら平気だろ?」
「ええ、其処は大丈夫です」
「流石は『英雄』てとこか?」
ニヤニヤと、身の丈を超えるほどの鎌を持った男が何か含んだ様に言った言葉に叱咤がかかる。
「こら妖希! ………それ以上明の旦那に舐めた口ゆうと」
……噛み殺すぞ?
「ああ?」
「もー、二人とも落ち着いて!」
アリーナが止めに入る。
「私としては、なぜ数人ほど援護の人数が増えているのかを聞きたい所ですね」
「いや! それはねぇ! その……」
先程まで喧嘩腰だった一人が慌てだす。
それを見ただけで明は大体の予想はついた。
「いつもの理由でいいですね?」
「は、はい」
少し落ち込んだ様子を見た先程の男が茶々を出す。
「そんくらい、俺の時もいい女ならいいんだがなぁぁ?」
「………アンタ、マジで殺すよ?」
再び言い合いが始まった二人を明が強制的に眠らせ、話を続ける。
「今回の事は正直助かりました。なので不問と致します」
その言葉を聴いてか、二人ほど入ってくる。
「すみません」
「…………(コク)」
入って来たのは月の様な瞳に髪をした少年と、全身黒い服で身を包んだ青年。
「いいですよ。それより……」
周りが静かになる。
先程の雰囲気も嘘の様に消し飛び、眠らされていた二人も起き上がる。
「世界が一つ、無くなりましたね?」
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