第六話 攻防戦
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シュンシュン!
「……クッ!」
森の中で人影と何かが斬り合っている。
シュン! カギィィィン!!
次第に、人影の方が押してきた。
「…っ! ここだ!」
キィィン!
交差する。
倒れたのは...
「グゥウァオロウ……」
赤ん坊の様な形をし、似て非なるもの。
「あと、何体だ?」
人影が周りにの気配を探り、目を凝らすと...
一体、また一体と増えてくる。
悪態を吐きながらも己の武器を構えて...
「はぁぁぁっ!!」
迫り来る敵へと突き進んでいった。
突然だった。
「あ~、何も無い事はー」
光輝がそのような事を呟いてる時。
「ガァァァァァァァッッ!」
突如森の中から咆哮があがった。
そして、敵が現れた。
「何だよこれ?」
森に実っていた木の実が...
「……んなのありかよ」
胎児に代わり、
「ウガァァァァッ!」
襲い掛かってきた。
すぐさま剣を抜き、斬り捨てる。
あまり良い気分はしないが、そんな暢気な事は言ってられない。
近くに見えた兵を呼び寄せる。
「そこの三名! 急いでこちらに集まり、陣を組め!!」
「「「了解!!」」」
トレイヤさんの指導が良いのか、すぐさま行動する。
陣もこの戦況にあった形になっている。
「ある程度片付いたらテントへ撤退、及びテントを守れ!」
「「「了解!!」」」
これで一安心だ。
(主、我々も出ます)
「そうだな、今の所黒剣でも対処できる」
(では、撤退中のメンバーに一人ずつ付いてきます)
「ああっと、そうしろ!」
話しながらも手は休めない。
否、休めない。
「弱いけど……とっ、数が多い」
身体から力が少し無くなる。
皆が出て行ったからだ。
「まぁ、大丈夫だろ」
気にする事無く斬り続ける。
そんな時、問題が起こった...
「きゃぁぁぁ!」
「なっ! 子供!?」
目の前に少女が逃げ込んできたのだ。
「チィ! 間に合えーー!!」
少女に向かい走り、そのまま抱きかかえ...
「ハァッ!」
ジャギン!
「グゥオォォウゥゥゥ」
斬り殺す。
「大丈夫か?」
安堵しつつ少女を見やり、聞く。
見た所、目立った外傷もない。
少女を守れた事に少し気を抜く...
そう、気を抜いたのだ。
ザシュ
「…え」
気づいた時には...
【まず一人】
表情の見えない少女に心臓を貫かれていた。
ちょっと強引ですが……許して下さい。
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