第9話 届く思いと代償
こんな駄目文でも呼んでいただいてる人に感謝します。
あの事件から一週間経った。
光輝の思いが届いたのか、奇跡的に千代は息を吹き返し今はリハビリ中である。
一週間経った今でも外は事件の事で話しは持ちきり。
千代の評価も回復してきている……が、
「入るぞ」
「こんにちは、光…お一人ですか?」
そこにはいつもの格好をした明が横になっている。
「……辛いものですね」
「目、見えなくなったのか?」
「はい、一時的なものですが…」
「余り無茶はしないでくれ」
持ってきた花を花瓶に入れる。
「診断によると、あと数日で治るそうです」
「そうか」
…………。
「じゃぁ、俺もう行くわ」
「はい、ありがとうございました」
これと言って話すこともなかったのですぐに出て行った。
外に出ると…
「あ、光!」
「ん?」
千代がこちらへと駆けてくる。
リハビリも順調にいっている様だ。
「明、どうだった?」
「ん~、目が見えなくなってみたいだぞ」
その言葉に一瞬表情を変えたが、一時的なものですぐ治ると伝えたら元に戻った。
「お前のせいじゃないさ」
「うん、私より恵美が…」
あー、確かに大変だったな。
倒れた明に泣きついて離れなかったし…
「ま、今は落ち着いてきたし…大丈夫でしょ?」
「そう、よね…うんそう!」
「あ、二人とも~!」
角を曲がった所で恵美がこちらに駆けてくる。
「噂をすれば、だな」
「そうね」
二人は笑いながら歩いた。
ガチャン!!
「はぁ…はぁ…」
光輝が出て行き、一人となった病室で胸を押さえる。
『ッ! 主!?』
誰も居ないはずの部屋で女性の声が響いた。
「心配は、要りません」
『で、ですが…』
明の体が所々薄れ、ヒビがはいっていく。
「これは思った以上に…」
きついですね。
そのまま明は意識を失った。
『時が動き出す』『時は止まる』
それは年老いた老人の様…
全ては栄の為に…』『全ては無の為に…』
それは女性の様で…
『全ては決められし運命に抗う為に』『全てを無へと誘う為に』
男性のような若い声…
『どんな過酷な道であろうとも』『どんなに抗い、叫んだとしても』
少女の様に穏やかで…
『己の道を信じ、皆の望みを貫き通す』『無の色が、皆を蝕み包み隠す』
少年の意志のこもった声で…
『例え未来が無に包まれるとしても』『例え無さへも照らし消し去るモノであろうとも』
女の子の声…
『英の光で輝き照らそう』『無の闇で包み隠そう』
男の子の声…
『今此処に、英雄を!!』『今此処に、英雄を!!』
皆の声が重なり叫ぶ。
えーと、とりあえず之にて第三章終了です。
今まで呼んでくれた人に感謝します!!
次回 第四章は、番外編を幾つか入れた後に始まります。
楽しみにして頂くと、幸いです。
これからも、よろしくお願いします。