第6話 計画と黒幕
いつも読んでいただきありがとうございます。
「いいですか? ここは病院なんですよ」
「「すみませんでした」」
あの後、騒ぎを聞きつけた明により二人は正座させられている。
「今回は仕方が無いですが……次は許しませんよ?」
「「はい」」
明からはとてつもないプレッシャーが放たれている。
コンコン…
『明様、お呼びですか?』
「はい、どうぞ」
失礼します、とセシリアとローズが部屋に入ってきた。
「ワシも良いかの?」
いきなりの声に入って来たばかりの二人が構える。
発したのは一人の老人。
「げ、げ元帥!?」
「申し訳ありません!!」
武器を突きつけた相手を確認し、慌てだす。
「明、この爺さん誰だ?」
「800年ほど前からこの世界に存在し、世界を導いたお方です」
800年!? 光輝が信じられない物を見るような顔をする。
当の本人は気にした様子もない。
むしろそんな彼を見てニヤニヤしている。
「ワシの事は『げんちゃん』と呼んでいいぞ?」
あだ名で呼べとも言い出した。
「元帥がここに来られたと言う事は……」
「うむ、やはりお主の危ぐした様になった」
回りはそんな言葉に ? を浮かべている。
「裁判の結果が早まりました」
「5分後に、ワシと明くんに念話で知らせが届くようになっておる」
「ちょ!? 5分はあんまりでしょ!?」
予定より一時間ほど早まった事に、千代が切れる。
「なんで予定より一時間ほど早まったんだ?」
「簡単ですよ……上は早く彼女を消したいんです」
「………世も末じゃのう」
二人のそんな言葉に場が静かになる。
だが、光輝は気づいた…
「こんな時の為に明は作戦が在ったんだよな!?」
すがる思いで明に聞く。
「……………」
明きがその言葉に返事を返さない。
光輝が続けて何か言おうとすると……
「ほ、5分経ったのう」
元帥の言葉に時間を確認するとほぼ5分経っている……
光輝も結果の方が気になるのか、皆と共に結果が送られてくるのを待つ。
一分、二分と過ぎていく。
気まずい雰囲気が漂い始めた頃に…
「……結果が届きました」
『来た』
その言葉に固唾を呑む。
「簡潔に言います。津野田 千代……貴方は今回の裁判の措いて、『死刑』となりました」
その瞬間、部屋を幾多もの魔法陣が包む。
「転移じゃ」
元帥がそう唱え、次の瞬間には皆転移した。
皆は木々の一つも見当たらない草原へと転移させられた。
ここに来て、ようやく状況を理解した光輝が明に詰め寄る……
「どう言う事だ明!? 何とかなるんじゃないのか!!??」
周りは何がなんだかまだ理解しきれていない。
「そこをどいて下さい……邪魔です」
感情を微塵も感じさせない瞳で、明は詰め寄る光輝を気に止めず千代に近寄る。
「一、体何を……する気だ?」
千代の前に立った明を見て、光輝が震えた声で聞く。
光輝の中で一つの答えが導き出されてくる。
「私明は……」
明の手に一振りの刀が現れる。
それを見た光輝が千代に駆け寄る。
「やめ……」
「貴女……津野田 千代を」
「………あ」
決して遠くは無い距離……光輝はその距離を今だけはとても遠くに感じた。
千代と目が合った。
「………………」
千代が何かを呟く。
「やめろーーー!!!!!」
「処刑します」
ザク……
「……カフッ」
明の刀は、正確に……数ミリのブレも無く。
千代の心臓を貫いた。
こんな駄目文をいつも読んでいただきありがとうございます。
次回 第7話 計画と黒幕2
これからも、よろしくお願いします。