アーティカル第一章 第1話 始まり
よろしくお願いします。
いよいよ開始です。
二人の青年が木刀を持ち向かい合っている。
もちろん真剣ではないが…感じられる空気からただの遊びではない事は分かる。
「いくぞ、明」
「いつでも、光」
次の瞬間には二人の距離はゼロとなり、激しい攻め合いになる。
その中で、明と呼ばれた青年の方がやや優位だ。
次第に光も押されてくる。
「く、なんのぉぉ!!」
「ハッ!」
肩に一撃を喰らいながらも光が木刀を振るが避けられ、距離をとられる。
光も一旦距離を置き方の具合を調べ、問題ない無いのを確認し構える。
……二人の緊張が限界までたかった瞬間。
「光くん、明くん、ごはんだよ~」
遠くから聞こえてきた暢気な声に、緊張が緩む。
「あ、はい。今行きます」
声の主の方へと意識の向いた明にその隙を逃さず光が攻撃をするが…
明はそれを軽々と避け、木刀を振るう。
「甘いですね。もっと殺気を鋭く」
「なッ!」
一瞬にして木刀を上に跳ね除け、獲物を失った光に打撃を与える。
打撃による衝撃と痛みに耐え切れず光はその場に倒れる。
「だいぶ良くなりましたよ」
顔を顰めている光に落ちてきた木刀を手に取り、片付けながら言う。
「うがー、次こそ一本取る」
起き上がり土を落としながら言う。
「もー、二人とも、ご飯冷めちゃうよー」
わかったわかったといいながら光も家に入る。
これからもよろしくお願いします