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5話

「すみません、呼ばれてきました。入ります」


女の人と話しているとノックが聞こえ、メイドが入ってきた。

そして、こちらを見て、近づいて一礼した。


「まずは、目が覚めて何よりです。お体のほうは大丈夫ですか?」

「えっと…はい」


返事をするとメイドは横の白衣の女のほうを見た


「体のほうは問題ないよ。頭のほうはまあ、おいおいでって感じで」

「なるほど。動いて問題なさそうですか?」

「激しく動かさなければ問題ないかな」

「かしこまりました。では、そちらの服を着て部屋を出てきてください」


そういって丁寧にたたまれたふくが横に置かれた。

メイドさんはそのままカーテンを閉めた。

おかれた服を手に取って着替えようと思ったその時、カーテンからちらりと目が見えて、


「なんならお姉さんがお手伝いしてあげようか?」

「…」


手をワキワキさせながらそう言われたので無言で近づいてカーテンを閉めた。


ーー


「あの人はああなので気にしないでいただけると」

「大丈夫ですよ。気にしてないです」


歩きながら少しだけ恥ずかしそうにするメイドさん。

本当に気にしていないのでそう返す。

あの後、覗きをしていた白衣の女の人はメイドさんにはたかれて怒られていた。

しかし残念ながら効果はなく、けろっとした顔で手を振って送り出していた。


「ありがとうございます。あと、体調など悪くなったらすぐにおっしゃってください」

「はい、ありがとうございます」


歩くこと数分、メイドさんが足を止めた。

今までで一番でかい扉でこの中にここの主がいるんだろうなとおもった。

メイドさんは扉をノックした。

すると中から声がした。


「入っていいぞ」

「失礼します。どうぞ、お入りください」


メイドさんは声が聞こえて中に入る。

そして、俺も入っていく。

中は豪華だが質素な部屋な感じだ。

中には二人いて、一人はメイドさんに似たような顔だが雰囲気がある。

普通にこちらを見ているはずなのに睨まれているような気がするのは気のせいだと思いたい。

そして、


「…」


もう一人、奥で座って、こちらを見ている白い美女と目が合った。

紅い透き通った目がまるでこちらを見透かしているよな、そんな気持ちになる。


「んん。いいか?」


咳払いをして話を始める。

俺もはっとしてそちら向いて用意されていた椅子に座る。


「わたしはアーミラ。このパルディア王国の神兵長を務めている。そして、そこにいるカーミラの双子の姉だ」

「カーミラです」


アーミラと呼ばれた女の人は自己紹介をして一礼をする。

そしてしれっとメイドさんのカーミラも同時に一礼する。


「えっと、望月悠里もちづきゆうりです」


なのでこちらも自己紹介して一礼する。

アーミラは顔を上げて、


「まずはこちらの不手際でこのようなことになってしまいすまなかった」

「あ、いえ。俺は大丈夫だったんで…。俺もなんかあんな所にいてすいません」


また、頭を下げられてたじろいでしまう。

なのでこちらも思わずまた頭を下げてしまう。

そして女の人は顔を上げた。


「まったくだ。君があの場にいたからいろいろ大変だったんだ」

「あれ?」


なぜか怒られるような形になってしまった。


「そんなことはどうでもいい。君がなぜあの場所にいたか。聞かせてもらっていいか?」

「わかりました。とはいってもおれもなにがなんだかあんまりわかってないのですが…」


そういうわけでおれがなぜかあの場にいたことを話す。

家で寝ていたはずなのになぜかあの森で目を覚まし、さまよっていたことを話す。

話した後、アーミラは顎に手を当てて数秒、


「誰かに連れてこられて記憶の改ざんをされたか、あるいは知らないうちに転移の魔法を使われたか」


独り言で呟いている。

どちらにしても怖すぎるな。

そもそも、そんな奴らに喧嘩を売った覚えは…。

覚えは…ないはずだ。


「もともとどちらにいらしたのですか?」

「日本です」


答えた瞬間、カーミラの表情が一瞬固まった気がした。


「どうかしたか?」

「あ、いえ。聞いたことがあったような気がしましたが気のせいでした」

「そうか。私も知らないな」


やっぱりか。

なんかへんなゴブリンとかいたし、なんかさっきから聞き流しているけど魔法とか言ってるし、よくよく考えたら変な部分はいっぱいあるな。

日本語で話してるから気にしてなかったけれど目の前の三人もどう考えても外国人だし。

すごい流暢に話すから普通に話していたけれど。


「アーミラ」


と、その時、うしろでずっとこちらの話をずっと聞いていた白い美女が口を開けた。

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