Reunite
バルボアは、知らない道をとぼとぼと歩いていた。
霧がかかったように視界が遮られ、自分がどこに向かっているかも、なぜ歩いているかさえ分からなかった。
歩かなければならない、そんな義務感がバルボアの足を進ませている。
いつの間にか霧が一段と濃くなり、足元さえ見えなくなった。途方に暮れ立ち止まるバルボアの前に、何処からか一匹の黒猫が現れ、足元にじゃれついてきた。
「やあ、ネコさん。君も迷子かな」
撫でようとした手をすり抜けた黒猫は、一声「ニャア」と鳴き、バルボアを導くように歩き出した。尻尾をピンと立て、時折後ろを振り返りながら進む姿は、付いて来いと言っているように見える。
どれくらい歩いただろうか。急速に霧が晴れ、視界が開けた先には目の覚めるような草原と咲き誇る花々。
遠くに見える二人の人影は、若い女と幼い子供。懐かしさを覚える人影に、バルボアは歩みを早めた。急かすように振り向いた黒猫が、二人に向かって走り出す。黒猫を追って走るバルボアを、二人が出迎えた。
抱き合う三人と、足元でじゃれつく黒猫。若い女が耳元で優しく囁いた。
「お帰りなさい、兄さん」




