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第十話∶ついて行くよ☆

受験終わったので再開

さて、当日になった。結婚式場まで繋がるゲートの前に立つのは男達三人。みな断石で練習をし、更には野良ドラゴンを捕まえてちゃんと解体してみせた、この世界でも上位の猛者である。

「よーやくか。短いようでクソ長かったな。」

「みんなには悪いが、殺し合いになるだろう。俺達だけで行くぞ。」

「今日もかわいいね……ドラゴン殺し、頑張ろうね。サヤカ。」

三者三様、意気込んでいる。そしてとうとう、ゲートが開こうとしていた。

「行くぞ。」

年長のアベイルの声に従って、男たちは戦いへ赴いた。

「ついて行くよ☆」

「む……みずくさい。」

しかし、ゲートは突如現れた二人の乱入者をも巻き込んでしまったのだった。

「ヒーラーおいて決戦とかありえないよね☆」

「法術士も、おなじく。」

乱入者は二人の女だった。

「ブリュンヒルド!そっちは……」

「はじめまして。ミナです。アベイルのお姫さまです。よろしくおねがいします。」

ミナと名乗った少女は、一見して異様だった。明確に幼いが、しかし立ちふるまいは堂々とした令嬢のそれ。放つ存在感は高名な学者といったような理知的なものを感じさせる。銀髪目隠しという単純な外見上の異様さと相まって、初見のアストルムはアベイルのお姫さまという衝撃発言をすっぽかすところだった。

「おいおい。あまり誤解を招くことを言うなよ。」

アベイルがたしなめるが、しかし彼の言う「誤解」は解けそうには無かった。

「アベイルさん、ミナちゃんにあんなことをしておいて……乙女の大切なものを奪ったんですから。王子様くらいやってみせなさいね☆」

「待て、ブリュンヒルド。何を……」

「アベイル兄ちゃん、何したんだ?」

「アベイルさんはボクの命を助けてくれたんです……そう、あれはある晴れた昼下がりのこと……」

「あ、着いた。」

全く他人に興味のない男ことキョウタの一言で、甘い空気は終わりを告げた。

そこは、どこまでも続くような荒野だった。空は砂塵に曇り、夕焼けのようになっている。平坦で、何も見えない。だが五人は気を引き締め警戒に当たっていた。男達はもちろん、女二人も当然結婚式に呼ばれたのだとわかっている。故に。何も無いところに連れ込まれたのなら、それは龍の独特の文化か、あるいは……

「ま、罠だよね。」

突如として上空に浮かんだ無数の魔法陣に、キョウタはそうつぶやいた。やがて、魔法陣から無数の竜の首が覗き始め、何処からともなく声が響いた。

「一応、挨拶をして差し上げましょう。私はネロ。カエソニアの妻です。貴方がたカエソニアの弟子には、たんと歓迎を致さなければと存じまして。取りあえずは、前菜からといいますか。皆、面白いことを期待しておりますので。何卒、ご健闘をお祈りいたします。」

言い終わるや否や、無数の竜が降り注いできた。

「サヤカ。」

キョウタがそっと呟くと、妹は兄に応えて悍ましいまでの魔力を刀身に這わせ始めた。兄は妹を振るい、竜の雨を切り裂き始めた。

キョウタは竜を上手く捌いていたが、しかし。他の四人はうまく動けずにいた。何しろこの数の竜を相手どるのは初めて、いや。今の人間の中で初めてだろうからだ。畏れに、足がすくむ。だがキョウタはいつものように―いつもなら周りに気を配ることなどほぼないが―言った。

「勝てる。いける。戦える。こいつら、大分雑魚だ。」

その言葉に、アベイルが、アストルムが、ミナが続く。彼ら彼女らもまた、竜の雨を殴り、斬り、打ちのめし始めた。そしてただ一人のヒーラーであるブリュンヒルドもまた、傷つき疲弊するであろう仲間たちを癒やすべく、術式の準備に取り掛かるのだった。


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