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虹と戯れる砂の底魚  作者: 藤泉都理
第一章
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第十一話 金銀白




 多種多様な植物と生物が生息する彩り豊かな『緑の国』において、希少な色があった。

 金、銀、そして白である。

 ゆえに。

 銀の髪と瞳を持ち白の衣を身に着ける男性は、遠方からでもすぐにその正体が知れた。




「あははははは~。こいつう~」


(私はいつまで同じ光景を見せられなければならないのだろうか)


 さらに一週間が過ぎても、土羽梨は寝たきりの状態のままあちらこちらと移動させられて、男性が『緑の国』の生物に攻撃される、もとい生物とじゃれ合う光景を見せられるか、眠るかの日々だけが続いていた。


 男性が土羽梨に対してする事と言えば、寝台ごと抱えて移動させる事だけ。

 男性は土羽梨に話しかけはしなかった。

 求婚ですら、出会った時の、あの一度のみ。


(私が結婚の申し込みを受け入れると決めなければこの状態は続くのだろうか)


 欺けばいいのだろう。

 この状況を打破する為には。

 いやそれどころか、好機ではないだろうか。

 結婚すると言って、『緑の国』に堂々と留まって、あの木の根の弱点なり動きを止める方法なりを調べて実行すれば、『砂の国』への攻撃を止められるのではないだろうか。


『ゆえに、私と新しい縁を結んで、築いて、その執着を断ち切ろうと思ってな』


 結婚という新たな縁を結んで、『砂の国』との縁を断ち切る?

 断ち切れるものか。

 断ち切れるのならば、もうとっくに。


(いや、)


 ふと持ち上げられた感覚がして、また男性に移動させられるのかと思った土羽梨は瞼を持ち上げたが。


(………は?)


 土羽梨を寝台ごと抱えたのは、男性ではなく。


(………はい?)


 青い炎をなびかせる巨大な鳥であった。


(はい!?)


 力強い羽ばたきの音と風力と、グングングングンと地から離れていく感覚に、ぞっと背筋が凍った。

 巨大な鉤爪がある二本の足が器用に寝台を掴んでくれているおかげで、平行姿勢を保ったまま落ちずに済んでいるが、もしも均衡が崩れたら、地面へと真っ逆さま。

 どのくらい地面と距離が離れているのか、皆目見当がつかないが。まず命は。


(ちょっと仮にも結婚を申し込んでいる相手が連れ去られているってのに助けないわけ!?)












(2023.8.10)




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