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オーガスおじさんの、お仕事心得。  作者: オーガスフロンティア
3/11

第三夜 基本のキ

前回は、つらい話をしましたが、今回から、やっと心得らしい話になります。

投稿期間が開きすぎてもよくないと思うので、第三夜は、書き足して更新していきます。

時々、のぞいてみてください。

陸翔君は、地方に在住している高校三年生だ。

地元の会社に就職活動を始めたが、始めの一社目であっさり内定をもらってしまった。

就職が決まったことを報告するため、オーガスに電話をした。


「おじさん、こんばんは。」

「やぁ、陸翔くん、元気?そのあと何か進展あった?」

「はい。市内のIT部品を製造している会社に決まりました。」

「おーー、それはおめでとう。いよいよ、これからだね。」

「はい。ちょっとどきどきしています。」

「うん。それはいいね。ドキドキするくらいが丁度いい。」

「面接で、サッカー経験の話をしました。」

「へぇ、どうだった?」

「いろんな人と、コミニケーションが取れる人は貴重だから、是非、うちに来てほしい、って。」

「それは良かった。」

「おじさんのアドバイスが良かったんだと思います。僕達みたいな高校生だと、そういったことが分からないので・・・。ありがとうございました。」

「うん、まあ、ちょっとは役に立てたのかな。会社に入ったら、あとは自分しだいだから、頑張ってね。」

「はい・・・、それで、会社に入ったらどんなことに気をつけていいのか、よく分からなくて・・・。」

「そうか~。ネットや本で調べてみた?」

「はい、いろいろ見て回ったんですけど、なんか堅苦しいっていうか、細かすぎるし、いろんなことが書いてあるから、本当なのかどうか、いまいち分からないんです。」

「もっと簡単に知りたいっていうことかな。」

「はい。」

「そうだね。本やネットだと、文字数やページ数を稼がなきゃいけないし、下手に変なことも書けないから、ぶっちゃけ話がないんだろう。間違ったことを書いていると思えないけど、まあ、たまには変な情報もあるだろうね。駆け出しのライターなんかが、小遣い稼ぎに書いた記事なんか見ると、つまらんことするなぁ・・・、なんて思うこともあるしね。」

「そうなんですか・・・。」

「僕の経験と反省から、言うと・・・」

と、オーガスは話はじめた。



一、寝る子はよく育つ。


「まず初めに、良く寝ることだね。」

「えっ!それが一番なんですか・・・?」

「うん。睡眠がとれていないと、頭が回らないし、悲観的になったり、食べすぎたりするよ。」

「確かに、試合前には、よく寝なさいって言われました。」

「そ、「一番の健康方法は、よく寝ることだ。」とイチローも言っているらしいよ。」

「服装とか礼儀が一番だと思ってました。」

「ん~、結局、睡眠がとれていないと、思考がおかしくなるから、変な人が礼儀正しくしても、ますます変な人になるだろう?」

「そ、そうですね・・・。」

「頭が回らないってことは、体もちゃんと動かないってことなんだ。脳が体を動かしているんだから、当たり前なんだけど、分かろうとしない人も多い。」

「あ~、徹夜自慢する奴っていますよね。」

「そうそう、社会人になっても、そういう人達っているんだ。『俺は、誰よりも頑張ってるんだぜ。』アビールだね。自慢したいだけだと思ってスルーした方がいいよ。仕事が間に合わなくて、徹夜というか、夜中まで仕事する人達もいるけど、それは仕事の段取りが悪いとか、アクシデントがあったとか、良い事ではないから、いろいろ見直さなきゃいけないことなんだけど、自慢されても困るよね。」

「確かに、うざったいです。」

「ともかく、きちんと寝ていないと、冷静な判断ができなくなるから、最初の小さなミスが、だんだんと大きな過ちになってゆくよ。手元で10°違うだけで、10m進むと全然違う方へ行ってしまうだろう?」

「はい。」

「感情的になって、お客さんを困らせたり、早まって判断を誤ったり、見落として怪我をしたり、まあ、ふんだりけったりだよ。」

「でも、僕、寝すぎて寝坊しそうです。」

「うーーん、若いうちは体力があって寝すぎてしまうから、気を付けた方がいいね。数か月に一回くらいだったら許してもらえると思うけど、一か月に一回の割合で遅刻してると、たいてい社会人として失格の烙印を押されると思った方がいいよ。まあ、会社にもよるけど。」

「なるべく早く寝て、寝坊しないようにします。」

「そうだね。なるべく早く寝た方がいいよ。それから、寝不足だと、“マイクロスリープ”といって、日中でも瞬間的に脳が眠ってしまうそうだ。誰も気が付かないらしい。」

「それは、怖いですね。」

「そう。例えば、瞬間的なミスを見逃したり、瞬間的に人の話を聞いていない。なんてこともある。」

「ほとんどわからないじゃないですか。」

「そうだね。だから、他人に何かを伝える時は、違う角度で話直したり、文書で手渡したほうが、いいだろうね。」

「あと、悲観的になるってどういうことなんでしょうか。」

「ん~、メカニズムはよく分からないんだけど、頭が冴えてるときって、ああしてみようとか、こうやったらいいんじゃないかとか、頭が良く回るから、楽しくなると思うんだよね。だけど、頭が回ってないと、あれもダメ、これもダメが重なって、どうせダメだろう。みたいな思考回路になっている気がするよ。気分の問題だけど。」

「あと、食べすぎるっていうのは?」

「どうやら、満腹感を感じる回路がぶっ壊れるらしい。僕も地下鉄工事で、夜間作業をしている時、寝不足が慢性化して、食べても食べても満足しなかった。でも明らかに、胃が膨れ上がって、パンパンに張っているにも関わらずだよ。僕らは満腹中枢が壊れた。なんて言ってたけど。寝不足の人は太りやすい。ってこういうことだと思うよ。」

「ん~、人間の感覚なんて壊れやすいでしょうか。」

「そうだよ。人間の精神なんて、強いようで弱いもんさ。それをどうやって乗り越えるか、自分次第だね。」

「あの・・・おじさん。」

「ん?」

「そろそろ寝ます。」

「そうだね、お休み~。」





早く入社後編にいきたいのですが、しばしお待ちを。

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