嬉野温泉へ向かう道中にはお気をつけて
実際にあった私が体験談した二つを披露させて頂くことにします。
・監督ここって……。
・あれ? みんな寝てるの?
・嬉野温泉へ向かう道中にはお気をつけて
以上3話となっております。
■三つ目、最後のお話■
私が霊体験をしたのは2つなので少し違ったお話です。
ハウステンボスに旅行に行きました。
二泊目は嬉野温泉でゆっくりして帰路予定です。
彼女を連れての旅行だったのですが。某鉄道旅行会社のプランの組み方が非常に悪く、なかなかに大変でした。
とはいえ、ハウステンボスは敷地面積が広大ですべてを見て回るには一泊では不可能なのでしょう。
いろんなアトラクションを一通り楽しんで一泊したあと嬉野温泉に向かうことにしました。
そんな次の日のお昼の事です。
食事を済ませ、嬉野温泉に移動しゆっくりするつもりでハウステンボスをでたのですが。
嬉野温泉行のバスは午前と午後の二本だけ。(今は違うかもしれません)
時間帯は覚えていませんが午後の便が16時でした。現在時刻が正午あたり。
4時間近くも何もないところで待ちぼうけです。
困り果てた私はどうにか近くに行くバスが無いかバス停を一つ一つ見て回ります。
当時はスマフォが登場しておらず、今にして思えばおもちゃの様な携帯を持っていました。
地図アプリが見れるはずもないので行き先をみても、今一つピントきません。ハウステンボスの事務員さんの所に行き訪ねてみるも、嬉野方面のバスはやはり一日に2本だけとの事。
さらに途方に来れながらバス停を眺めていると佐世保行きのバスを発見しました。
佐世保行きのバスの停留所をみていくと黒髪町という停留所を発見。
黒髪町には母方の実家があります。
じいちゃんばあちゃんは他界していますが線香の一本もあげたいと彼女に申し出て向かうことにしました。
今にして思えば全く逆方向なのですけどね。
無事、線香をあげさせていただき。親戚に線香代を託して嬉野温泉に向かうことにしました。
タクシーを呼び彼女と嬉野温泉に向かいます。
時間は当初のバスが来る時刻の16時も回り、夕暮れに差し掛かっておりました。
18時頃だったかもしれません。
タクシーに乗り込む私たち「どこからきなすった?」そんな声を掛けられました。
事情を説明し運転手さんには嬉野温泉に向かっていただきます。
道中特に会話もなく、横を見ると彼女はスヤスヤ寝息を立てています。
長崎は本当に坂が多いところだなーなどと思いながら景色をずっとみていました。
「あと10分ぐらいでとうちゃくするけんな~」そんな声を掛けられたのは山道をグネグネと駆け上がっている所でした。
このあと一本道の長い長いトンネルを通って山の上に出たところが嬉野温泉地帯なのだそうです。
「ほんとうはこのトンネル通りたくないんよ~」そんなことを運転手さんが言い始めます。
トンネルに差し掛かると彼女も起きてきて、寝起きながらの不思議そうな顔をします。
「何か出るの?」私は聞くしかないので返します。
「お察しだけどねぇ~ききよるかい?(訳:聞くかい?)」
このトンネルは空車で走ると白い服の女の人が現れて乗せてくれと手を挙げてくるのだそうです。
乗車拒否をした場合も気が付くと後部座席に白い女の人が乗っているし。そのまま乗せようものなら到着時に濡れた後部座席が残るのみらしいとの事です。
なので、絶対空車のまま走るなというのがタクシー業界の決まりなのだそうです。
「そうですか~運転手さん。到着したら振り返らない方がいいですよ?」
「僕たち居ないかもしれませんので~」
それにしても何故に3時間も到着にかかったのでしょうね? 不思議でなりません。
基本的に前振りが長いですね。スイマセンでした。
そして、この3つ目が霊体験でもなんでもありません。
ちょっとしたいたずら心で仕返しをしました。
そんなお話でした。
お読み下さった方々、お読みいただき誠にありがとうございました。